授業中の立ち歩きを唯一許された私
高校生の頃の話ですが、
体育祭で私たちのクラスはある先生のかなり微妙な判定により優勝を逃したことがありました。
何かのきっかけで授業中その話になり、授業そっちのけで盛り上がりました。
その時の授業を担当する女性の先生も、内容を聞きたがっていたので、
それぞれが口々にあぁだのこぅだの言い出し収集がつかなくなってしまいました。
あまりにも賑やかになってしまい、先生が周りを気にし始め、焦っているのを察知した私は挙手し、
「私が説明します」
と宣言し、立ち上がり後ろの黒板に作文風で説明することにしました。
そうすると、不思議と騒いでいたみんなが後ろの黒板に注目するようになりました。
文章が進むと、数人が立ち上がり、後ろの黒板に近づいてきました。
さすがに授業中何人も教室を立ち歩いているのはマズイと思ったのか、先生は、私以外の生徒に座るように注意し座らせました。
その間も私は後ろの黒板にビッシリと作文を書き続け、先生はわたしの完成を待つという何とも今思い出しても不思議な時間がありました。
私が板書している最中、何度も立ち上がる生徒を見ては、
「座りなさい!」
という先生の声と、
「いや、あいつはいいの?」
という声が飛び交っていたのを覚えています。
その後、私の作文はしばらくの間消されず残っていました。
もちろん微妙な判定をした先生の目にも触れていましたが、
生徒の間で勝手につけた愛称で書いていたのでその先生が自分の事と理解したかどうかは今となってはわかりません。
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