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規格外野菜の食育キットには、私の価値観が散りばめられてた話

「なんかやりたいことと違う」と思って
周囲への報告を中途半端にして辞めた規格外野菜の食育キット。

でもやっぱり、あの半年間で得たビジネス経験や様々な人との関係、
休校中なのに、SNSを見る暇もないくらい毎日が怒涛で夢中になってた私の中で疼くパッションは、今の私の価値観やこれから実現したい世界に通ずるものだって1年置いて振り返るとしみじみと感じるので書きたくなっちゃいました。

規格外野菜の食育キットってなに?
なんで辞めたの?
と思った方は、かなり葛藤してるこちらの noteを読んでね ↓


規格外野菜に夢中になった私

私が規格外野菜を有効活用したい、存在を知ってほしいと思ったのは
規格外野菜が正当に評価されてない、形以外のつくり手のこだわりや品質が正当に評価されてないと思ったから。

もう少しわかりやすく言うと、
少し形が違うだけで、味や栄養価、生産者が同じでも同じ舞台に立てずに、消費者がほしいかどうかを決める前に捨てられてしまうのはおかしい、と思ったからなんです。

フードロスでも農業でもなくて、「価値」に関する活動をしたかった。
規格外野菜は安値で売られるもの、少しでも規格を満たさないと出荷できない、というよくわからない常識に疑問意識を持ったから。

だから、その頃の私のプレゼンを見ると、
『規格外野菜の価値定義(換金) ができる場を作る』
『「規格」という概念をなくす』
としつこいほど書かれてます。


少し遡って、実はそのプレゼンを作った2か月前の私は、規格外野菜という言葉すら知りませんでした。
初めは、高校生のやりたいことを資金面・メンター紹介・毎月開催のビジネス講座という形で支援してくれるBLAST! SCHOOLに、「食品ロスを減らすアプリ」を作りたいというアイディアでアプライしていました。
今だから言えることですが、食品ロスの削減にすべてをかけたいとは思わないかもという私が少しいたまま、最近気になってる社会課題だし自分の頭の中のアイディアを形にしたい一心で申し込んじゃいました。
そして、1期生として採用していただきました。

意気揚々として参加した、他のBLAST生との初対面の場でもある合宿。
周りを巻きこんで最大限この環境を利用するぞー!と思っていた私は、メンターの方に片っ端から話しかけて(次のコンテンツに行くから、一旦戻ってとか言われてました笑笑)、その中のあるメンターさんに、八百屋のタケシタを紹介していただきました。
そう、その八百屋のタケシタこそが、規格外野菜の存在を知るきっかけだったのです。
八百屋のタケシタさんは、食品ロス削減のために規格不選別の野菜を売る八百屋さんで、形が原因で私たちの目に触れる前に捨てられてしまう野菜があるの?と、初めて知った事実に驚くとともに興味を惹かれました。

ただし、この時点ではまだ、食品ロス削減アプリにパッションを抱いていました。

合宿後しばらくして、BLASTの事務局の方と壁打ちしていた際に、
「そもそも食品ロスについてあまり知らなくない?」と言われ、
確かに、私は食品ロスのすべてを知らないなと思い、
生産から小売までの食品流通に関わる、私がアプローチできる限りのすべての方にお話を伺うことにしました。

その中でもまた「規格外野菜」という言葉に出会い、やっぱり気になって規格外の野菜や魚(未利用魚)、肉についてインタビューで深堀りしてみると、
なんと!「安値の規格外野菜を販売すると、正規品の価格も引っ張られて値下がりするから、規格外野菜は売りたくない」というじゃないですか!!
ちょっと待って、それっておかしくない?

形が少し違うだけで味や栄養価ってそんなに変わるんですか?
作る・売る側が「安値で売るもの」という前提を作っちゃったら、買う側は安いということにしか価値を見出してくれないじゃないか!と思いました。

私は、野菜の目利きでもプロの農家でもないし、規格外野菜を直接見たことも触れたこともないけれど、形だけでそのものの価値が決められてしまうことに単純に疑問を持ちました。

だからこそ、規格外野菜の価値を定義する場を作りたいと思いました。
その時の私は、価値定義の方法といえば野菜が売れること = お金にすることだと思ったので、規格外野菜を活用したビジネスを行いたいと考えました。

なんとなくやりたかった食品ロス削減アプリはこの頃にはおさらばしていて、規格外野菜の価値を定義する場を夢中になって模索し始めていました。


(こばなし)

あ!大事なことを言い忘れてましたが、BLASTの前夜祭であるキックオフイベントで「食品ロスを減らすアプリを作りたいです!」とプレゼンしたら、
興味あります!!と声をかけてくれて、その後も1か月間毎日のように長文LINEを送りあっていた友人2人に、BLASTに選ばれたことを機に「2人と一緒にプロジェクトを作っていきたい!」とスカウトをかけまして、私にはない強みや性格と私と同じくらいの熱量を持った素敵な仲間と、このプロジェクトを進めていけることになりました。

規格外野菜の価値を測れる場を

規格外野菜の価値定義をする場と言っても、どう作ればいいんだ?ということで、「規格外野菜を有効活用する」という方向性で動き出した私たち。

初めは、手軽に規格外野菜を味わえるスムージーという形にしようということになりました。
人生初めての企画書を書いて、必要な備品と予算見積もりをしたのですが⋯新型コロナ拡大の影響で、食品提供のイベントができなくなってしまいました😞

その話をBLASTのマンスリーピッチでしたところ、粉末スムージーはどう?と言われたのですが、私が食分野に関心を持った理由として、食を通じて生まれる会話や相手との関係などの感動体験を多くの人に伝えたいという想いがあったため、粉末スムージーをはじめとした加工品はしっくりこなかったんです。
規格外野菜を有効活用するための手段としては良いかもしれませんが、"食材の美味しさ" というものを私は伝えたかったので、加工品だと食材そのものの価値ではなくて、加工の仕方やブランディングの上手さで勝てちゃうと思ったからです。

スムージーができないからといって、このまま手をこまねいてる訳にはいかないぞ!と思って、
何をやりたいのか、伝えたいのか
それを伝えるための別の手段を探すことにしました。

人の話を引き出すことが上手なメンバーが壁打ちしてくれたおかげで、
私は「規格外野菜が安値で売られるべき」という考え方をなくしたい。
そのためには、消費者に規格外野菜の存在や現状を知ってもらって理解を深める。そして、規格外野菜があったら買ってみようかな。と思えるようなきっかけを作ることに行きつきました。

そこで手始めに、規格外野菜について伝えるイベントを開催しようということで、
1. オンライン学童でのはみだしやさいのお絵描きとクイズ、レクチャーも少し交えたワークショップ
2. 農家さんとの対談 & マヨネーズを作るオンラインイベント
を行うことにしました。
この期間は鬼忙しかったですね、がんばれ!!


ここで、二つともとっても個性的なイベントなので、ちょっとだけ裏話をさせてください!

その1. オンライン学童でのはみだしやさいワークショップ

まずなぜ子どもたちなのか。
固定概念や常識が作られる前の子どもたちに、規格外野菜というものを知ってもらえたら、その子たちが大人になる時に規格って必要あるの?と思い、規格以外の評価基準がある世の中に近づくと思ったからです。

そして、はみだしやさいという言葉。
ネーミングセンスありよりのありなメンバーの造語で、子どもたちに形がはみだしているだけでスーパーには並べない野菜の存在を伝える素敵な言葉だと思うの。

その2. 農家さんとの対談 & マヨネーズ作り

マヨラー集まれ!という名前にしたせいで、マヨネーズ作るの?マヨネーズ嫌いなんだけど⋯と思われがちなイベントですが、農家さんトークがメインコンテンツです!!

マヨネーズ作りは、インタラクティブなワークショップも入れたいねとなり、料理が得意なメンバーがいたために野菜に合うディップを作ろうということで浮上しました。マヨが苦手な方向けに、バーニャカウダチームも併設してました。

子どもだけじゃなくて、一般向けのオンラインイベントを開催した理由は、いくら子どもの意識変容をしたからといって、今財布を握っているのは親。だから、大人やこれから財布を握るであろう学生にも規格外野菜について伝えたいと思ったのです。

また、農家さんから直接、規格外野菜の現状や規格外が発生してしまう原因を聞き、実物を見てもらうことで、少しでもジブンゴト化してもらえるのではないかと思ったので、対談形式にしました。

オンライン開催のため、都道府県関係なく20人を超える方が参加してくださり、中にはグラレコを書いてくださった方や「規格外野菜についてのプレゼンをしたいから農家さんと繋げてほしい」という連絡をくれてアクションにまで移してくれる方もいて、嬉しい限りでした。

ちなみに、収穫の繁忙期と被ってしまったのに登壇してくださった農家さんとは、今でも付き合いがあるほど親しくなれて感謝しかありません⋯!



そして、本題に戻ります。
私は規格外野菜の価値定義ができる場を作りたかった、すなわち規格外野菜を換金できる機会やビジネスを創りたいと思っていました。
ただコロナ禍のため、規格外野菜を活用した食品の販売・試食などのリアルでの活動は難しいという制約があったため、自宅や場所関係なく規格外野菜を味わってもらうベストな方法は何か、をずっと考えていました。

そこで思いついたのが⋯出ました!「規格外野菜の食育キット」です。
詳細は、先のnoteで紹介しているので概要スライドだけ貼っておきます。

規格不選別の食育キット

一番のこだわりは、「規格不選別」という点です。
規格外野菜だけでなく、正規品も入っている。
なぜなら、規格外野菜だけにしてしまうと、食品ロスや社会課題解決などのイメージがついて購入のハードルが高くなる恐れがあるうえ、そういうことじゃなくてただ単純に「いわゆる規格外品と言われている野菜たちって正規品と変わらなくない?」、「規格って何のためにあるんだ?」という規格関係なくその野菜の本当の価値を考えるきっかけにしてほしかったからなんです。その価値は、味でも安全性でも生産者・生産地でも何でもありだと思います。

ただ食育キットも野菜ボックスも、作ったこともその過程も知らなかった私にとって、右も左もわからないまま走り出してしまったので、当食育キットの企画過程では、野菜ボックスをプロデュースしている企業の社長やBLASTでレクチャーをしてくださった起業家の方など多くの方にアドバイスや壁打ちをしていただき、リリースまでのスケジュール感やインタビューを行ううえでの視点、自分が課題と考えていることに対しての新たな捉え方をたくさん教えていただきました。
もちろん、ペルソナである "3~6歳の野菜にニガテ意識を持っている子ども" を持つ親や保育のプロフェッショナルの方達にもインタビューを繰り返し行い、仮説と現実を近づけようとしました。

そして、BLASTの毎月のピッチでは食育キットの事業案をプレゼンし、競合や市場規模、どういった課題が解決できるプログラムなのかを掘り下げ、最終ステージである投資家ピッチを目指し、一心に頑張っていました。
農業や起業関連のイベントに参加したり、BLAST終了後の資金調達のために資金援助プログラムの検討なども併せて行っていました。

この頃の私は、規格外野菜の食育キットを中心に1日が周り、常に食育キットの内容をヒアリングを元に考えて、色々な人に相談するためにアポを取ることが日常でした。
こんなに没頭できて、多くの方にアドバイスをいただけたのは、
① 新型コロナの影響で通学にかけていた4時間を食育キットに充てることができたこと
② PC1台で年齢・住んでいる場所関係なく繋がれる、すなわちネット環境さえあれば世界を舞台に仕事をしている方と同じ場所・時間を共有できるようになったこと
の2つがとても大きいと思います。

逆の言い方をすると、「規格外野菜の食育キットの事業化」に打ち込みすぎて、ペルソナに刺さるコンテンツ、投資家ピッチに向けての実績づくりが実現できるスケジュールの作成と提携農家さんや集荷場所の決定、といった他者からの評価や業務的なことが第一目的化しかけていて、
「なぜ、私が?規格外野菜?を売る?」
といったことを考える、自分と向き合う時間を忘れてしまっていた。と今振り返れば思います。

なんで規格外野菜を売りたかったんだっけ?

自分と向き合うことを忘れていたうえに、提携農家や集荷場所の決定も進まず、ぐるぐるした頭で突入した6月。投資家ピッチ、すなわちBLASTのサポート期間終了まで1ヶ月になりました。

落ち着こう。
なぜ私がぐるぐるしているのか。何を見失っているのか。考える。考えた。

今まで、事業案に対する壁打ちやペルソナに該当する人へのヒアリングはたくさんしてきた。けれども、価値定義の場を野菜を作っている農家さんには、3月にZoomで規格外野菜についてインタビューをしたきりずっと関わっていなかった。何なら、現場である畑や一日の作業風景すら見たことがなかった。私が規格外野菜を価値定義する場を設けたいのは、農家さんのこだわりや規格以外の価値にも目を向けてほしかったから。そして、規格以外の基準で評価され、換金できることが当たり前の社会にシフトさせたかったから

食育キットを実現することで一番報われてほしい農家さんの現状を知らなかったんだから、そりゃもやもやぐるぐるするよ。
いくらペルソナに刺さろうと、実現性のある計画を策定しても、一番幸せにしたい人にとって意義がなければ、本末転倒だもの。


そんな一番大事なことを忘れていた私は、早速訪問できる農家さんを探しました。
初めて、畑で収穫〜出荷までの作業を手伝い、農家さんのお話を伺う中で、
規格外野菜を売ることは、農家さんが作ったものの価値を正当に評価してもらい、換金できる社会を創るために私が取れるベストな手段なのか
という疑問を強く抱きました。とにかく、ネット上や話を聞くことで知った規格外野菜へのイメージ・知識と、現場で農家さんと話して実物を見て感じたことのギャップが大きすぎました。

だからこそ、今まで私の中でずっともやもやしていたことにきちんと向き合ってみることにしました。

【事業化にあたって】

  • 規格関係なく野菜を出荷・販売している大手企業もある

  • 品質が原因で規格外になったり、持ちが悪いため劣化も早いことが多い

  • 規格外の理由・程度によって、扱い方や販売可能か、持ちなどが異なる→その判断・分類にもコストがかかる

  • 生産現場で捨てられるもの、小売で捨てられるものを比べると、小売で捨てられるものの方が輸送費や人件費などのコストが重なるので、ロス度は高いのではないか

【農家さんと関わる中で感じたこと】

  • 規格外野菜はみな、正規品と味が変わらないわけではない。太さが違うと水分量による味・食感の違いが生じる

  • 畑に作物を捨てれば、土に還る。(捨てるというより放置するという感覚)

  • レストランや個人に出荷する際は、規格を設けるかどうかは農家さん次第

  • 農業で生計を立てて売上を伸ばそうとしている方は、栽培品目の工夫、販路の複数確保や直売所には出さずにレストラン等との取引を重視するなど、様々な戦略に基づき経営している

  • ブランド品は、一等品の流通のためにたくさんの廃棄を出している。そうすることで、ブランドの価値・品質を維持することができる

  • 食べてもらうなら、形・味も良い自慢のものを一番届けたい

まとめると、規格外野菜は必ずしも正規品と味が変わらないわけではないし、生産現場で捨てられる野菜について、コンビニで捨てられているものと同じ嫌悪感は抱かなかった (これは、畑での廃棄シーンを切り取ったTVを見るのとは違い、農家さんのお話を聞いたり食品ロスや規格外野菜についての知識を知ったうえで現場を見たからだと考えられる)。

また私がフォーカスしたい農家さんは、こだわりを持っていたり、農業で生計を立てようとしている方で、規格関係ない正当な評価を起点にその人たちの収入アップへ繋げたかった。けれど、そういった方たちは自分で取引先や販売方法・品種などを開拓しており、その農家さんの一番伝えたいこだわりを伝えるためには「規格外野菜」にフォーカスするのではなくて、もっと違った切り口や伝えたいことがあるのではないかと思ったのです。規格外野菜の判断・分類と輸送には正規品以上のコストがかかるので、収入アップや規格に囚われない評価を実現するためのベスト手段ではないと感じました。
それと食育キットの目的は、食品ロス削減ではなくて、「正当な評価」のために規格以外の評価基準に目を向けてもらうことだったので、上記のことを踏まえると、規格外野菜にこだわる必要性がないことに気づきました。

はい。事後振り返りなので上手に言語化できてますね。
当時は、こんなきれいに自分自身の気持ちをまとめられずに「なんとなく違う」という気持ちだけがありました。
だから、冒頭で紹介した葛藤noteをどうにか書いたけど、やっぱり改めて振り返りたい!という気持ちが今になって湧き出てきたのです。

当時は自分のもやもやをクリアに言語化できなかったけれど、実現したいことと違うという直感が強かったので、その段階で手を引こうと決めました。
このもやもやした気持ちのまま、プロダクトの検証・事業化を行っても、もしかしたらたくさん学ぶことはあるかもしれないけれど、どこかに疑問は残っていて自分の気持ち100%をかけきれない私がずっと居続けるのだろうなと思いました。
そして、そんな気持ちでやっていたら事業化なんて到底無理だし、今まで時間も熱意もかけてくれた同志や壁打ちやアドバイスをしてくれた / る方にも失礼だと思ったからです。

辞めます!というのは今まで食育キットにかけてきた努力や時間を一言で片付けてしまうようでとても言い出しにくいけど、中途半端な気持ちのままプロジェクトという気持ちのない形だけのものをとりあえず動かそうとしている時間こそ、ずっと周囲の人にとっても自分自身にとっても無意味な時間だと思いました。
であれば、自分が「人生かけたい」と思うほどのやりたいこと探しに、それらの時間を充てる方がよっぽど有意義だと私は思ったし、今まで関わってきてくれた人の自分と向き合う時間も少しでも奪いたくなかったから、「辞めます」と違和感を感じた段階で宣言することにしました。


そしてそれからは、直感に従ってやめたので自分のやりたいことや手段を言語化できるほどの知識や能力が、当時の私にはなかったため
魅力を感じた、ひとりひとり畑や作物が違うという農家さんの元に援農に行ったり、マルシェや野菜販売を手伝ったり、食を通じた空間の共有に興味があったので食フェスの運営に携わったりして、自分の中の何かわからないけど好きなことを形にしたり、言語化しようと模索し続けました。
また、一緒に食育キットを企画していたイラストの才能ありありな友人が、食育キットに同封予定だった絵本制作を進めていて、半年越しに受けた逆スカウトを機に、農家さんのこだわりを伝える方法として、絵本制作の取材・構成などにも携わりました。

もちろん、食育キット制作中にぶつかったけど時間に追われていて手をつけられなかった、法律や資格による制限、農業やビジネスに関する知識を得るために本や記事もじっくり読めました。
そして、何か自分自身の強みにできる専門性を持って仕事ができないかと考えていたので、寄付講座を利用してPythonを学んだりもしました。
1年前の私に足りなかった、障壁を理解し選択の引き出しを増やすための知識と価値を形にできる技術力・クリエイティビティを得たかったため、「学ぶ」ことにフォーカスを置こうとしました。

結局、私の実現したい社会とは

今考えると、当時の私は事業化をする、社会課題解決に取り組まなければいけないといったことに囚われすぎていて、自分の実現したい
規格や既定の基準じゃなくて、それ以外の評価基準も踏まえたという意味での「そのものの価値が正当に評価される社会」を創ること
にこだわり、向き合いきれなかったのだと思います。

社会的に意義のあることを行うことや社会にインパクト与えることは大事だし、そういうことができる実力のある人にこれからなりたいと思っています。
けれど、必ずしも社会的に意義のある目標設定をし、インパクトを与えられる最適解を取らなくてはいけないわけではない。特に、やろうと思えば何にでもなれるかつ進路に悩む時期である高校生のうちから、社会的な意義・インパクトなどの外部要素に押されすぎてしまって、自分のやりたいことを周囲が期待することに寄せていってしまったら、結局後で自分が苦しむだけなので、なんとなくの違和感に従った私の選択は正解だったと思います。
それに、今の社会で意義のあるとされていることが必ずしも正しいとは限らないので、自分の経験に基づいた評価軸を持ってその価値観をこの社会に加えていく人が増える、つまり自分らしく生きられる人が増えれば、ユニークな社会になるだろうとワクワクしています。


抽象的な話はここまでで、最後に私の実現したい社会のお話を!

  1. テクノロジーの力で自然と人間が共生・適応できる地球を営む

  2. 人やモノが正当に評価される社会を創る

私は、この2つの社会を人生かけて実現したい。そう思ってます。


詳しく説明していきます~ ↓↓↓

その1. テクノロジーの力で自然と人間が共生・適応できる地球
まずこの想いを抱いたきっかけ。
今まで私が農業をはじめとする1次産業に魅力を感じたり、中学生の時に山岳部や馬術部に入っていたのは、予測できない自然と共に仕事をすることにカッコよさというか風情みたいなものを感じるからなんだと思います。
そしてPythonを学んでいたこともあり、この1次産業や環境といった分野でデータを生かせないかと思うようになりました。特に、1次産業はデータではなくて経験則やコネクションといったことが重視されている分野だと農家さんや農協の方とお話しする中で感じていたこともあり、1次産業で感覚的な価値をデータという定量的なもので表すことができれば、経験に価値を付与することや経験に頼らなずに経営が行いやすくなるのではないかと考えています。
それに加え、環境負荷や土地のレジリエンスなども定量的に表すことができれば、環境にとっても経営の継続可能性という観点から見ても、持続的な営みができるのではないかと考えています。土地利用という観点から見ると、都市開発・農村開発にもこの考え方は適用できるのではないかと考えています。
すべて「考えています」なので、まだまだ私の中の仮説です。だから、この仮説を検証するための勉強や社会経験を現在積んでいます。
大学では、地球環境や環境評価の分析、空間分析・デザイン、法律、プログラミング言語色々を学んでます。そして、衛星データを活用した土地の状況の可視化やコンサルを行っているベンチャーでのインターンを通じて実務経験もたくさん積んでいく予定です。

ちなみにテクノロジーに期待を抱いているのは、私の初めての課外活動において、PC1台で場所や肩書関係なく様々な方と関われた経験が大きかったことがあり、テクノロジーを駆使することで、当時の私が解決できなかった規格外野菜などの非効率的なことやマイノリティといった社会を動かすうえで目を背けられていることや人にも、目を向けて一員として受け入れられる仕組みが作れるかもしれないと思っているからなんです。
でもこれはテクノロジーに期待をしすぎているだけかもしれないので、技術・法律についてもっと学んで、そんな仕組みを作れるようなスキルを得る必要があるので、学び実践し続けなければいけませんね。


その2. 人やモノが正当に評価される社会
これは、このnoteのトピックである 規格外野菜の食育キットを企画していた時から私の根底にある気持ち。
大量生産大量消費や効率性のためのルールに従うんじゃなくて、いいな、素敵だなと思った自分自身の気持ちに、少しでも多くの人が従ってほしい。
と私は思っています。だってそっちの方が幸せな気持ちになれるじゃん?

ただ、79億人のうちの1人でしかない私たちはちっぽけだから、
自分の好きなこと、やりたいこと、意見、意志だけに従ってちゃこの世界で取り残されてしまうのかもと思ったり、
他人に批判されまくったり、逆にメディアや受賞により評価を受けると自分の本心が伴っていなくても、妥協して周囲の求める自分像になろうと自分の本当の気持ちに無意識のうちに蓋をしてしまうことがある。

でも、自分の100%のやりたいが伴っていない活動をしていて
あなたは幸せですか?その活動は、あなたのこころにとって持続的ですか?
と問いたい。

私は、自分の好きなことや意志に従う人がつぶされないで個性が生かされる社会を創れる知識と実力を得て、実現したい。そして、自分らしさをつぶされそうで辛い人に向き合って力になりたいし、そんな経験をしたことがある人にはぜひ仲間として一緒に実現してほしいです。

今の私ができるその一歩としては、中高生メンターをしています。
この時期は、年齢的にも進路や将来に葛藤するうえ、受験や内申などの他者からの評価が自分自身の価値のように思ってしまいがちなこともあり、周囲の期待する姿に合わせようとしてしまうため、自分の本当にやりたいことや人生と向き合うお手伝いと、それを認める場所や機会を作りたくて、中高生メンターをしています。
あとは、やろうと思えば何でもできてそんな私を認めてくれる自由で幸せな環境に今いられるからこそ、中高生の時の辛かったあの気持ちを絶対に忘れちゃだめ。わー楽しい!と今をエンジョイすることは簡単だけど、今辛い人やこれから辛くなる人から目を背けたら、私が苦しかったあの空間の構造はこれからも何も変わらないと思うから、ひとりでも多くの中高生とたくさん向き合いたいです。

ここまで自分らしさや向き合う系のお話を語りすぎましたが、価値評価がメインテーマなので「評価」についてもきちんとお話しさせてください。
食育キットを企画していた時の私は、お金がすべての評価方法だと思っていました。だから当時は換金にこだわっていたけど、今はお金以外の評価方法もあっていいよね。それってなんだろう?ということを考えています。
そして、お金以外の評価基準を意識する機会の作り方も絶賛検討中です。
これについては、今すぐに明確にできるものではないと思うので、長い時間をかけて模索・形にして落とし込んでいきたいと考えています。


はい!そんなこんなで、1年以上もやりたいこと探しを続けた私の振り返りと今後の抱負は以上となります。

今学んでいることややりたいことは、規格外野菜の食育キットを通じた経験やそこで繋がった同志やメンターとの関わりが元となって築かれていった価値観なので、私のルーツは食育キットにかけた時間・気持ちにあると強く感じています!
食育キットは形にこそできなかったものの、私の価値観という一生の財産の源となっています。出会ってくれたすべての方に感謝とこれからもよろしくお願いしますという気持ちをお伝えして、結びの言葉とします:)


(雑談)
趣味ですが、HCIと空間演出にも興味があって、p5.jsや音響機材も勉強中 & 触ってます。
誰かと共有する空間をデザインすること、五感に訴える体験をデザインすることができるようになりたいと思っているので、形にできるほどの実力が着いたら同志のみなさん、コラボしましょう!!

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