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秋の終わりのネクラは幻のコーヒーを手に入れた。

気付いたら11月でした。
あ、こんにちは。
更新をぶっちぎってました。すみません。

そんな無精者ですが、久しぶりにちゃんとコーヒーの紹介をしたいと思います。

まずは

こよみ珈琲【秋灯 しゅうとう】 

生産国:タンザニア、グアテマラ、ブラジルほか
焙煎度:ハイ~フレンチ

更新をしない月も、こよみ珈琲を作り続けていましたが
多分個人的な好みというか主観があって、ある特定のエッセンスを入れる傾向にありました。
そうするとブレンドする豆が似通ってきてしまう。

今回はそういった素材をあえて選ばず、コーヒーらしいコーヒーの真剣勝負みたいな心持でいます。
秋の終わりのコーヒー。

ちょっと枯れた感じ、紅葉、落葉、朝晩の冷え込みと時には半袖が必要な暖かさの日中、、、。夜が来ると秋のそういったものはかき消され、冬に支配される。そしてあかりが灯る。

そんな11月をイメージしています。

「秋灯」って名前は安定のtomoがつけています。
事前に私が考えたのにはすかさずtomoの眼がきらーんと光ります。
なんならもう商品表示も作っちゃっててあとは樽の上に並べるだけだったんですが

「【惜秋】って、、、言いたいことは字の如くすごくよく分かるよ?
でも、ちょ、ちょっとお待ちなさいよ、このネクラで短調好き!」

ということで最初は拗ねましたが、秋灯、とても気に入ってます。

そしてもう1種類。

幻のコーヒー
ニカラグア エンバシー農園 ジャバニカ レッドハニー

なんの呪文だw
ってセールスポイントが満載な豆です。
久しぶりに私の目から焼きたいうずうずビームが出ました。

ということで、一つ一つ解説をしていきます。

ニカラグア、久しぶりの取り扱いです。前はパカマラピーベリーだったんじゃないかな?

中米で北西にはホンジュラス、エルサルバドル、南にコスタリカ、カリブ海あり、太平洋ありな場所です。国土は北海道と九州を合わせたくらいだそうです。

エンバシー農園はそんなニカラグア北部のヌエバセゴビア・モソンテ地区にあります。
エンバシーって「大使館」という意味だそうですよ。
2つの川が交じり合う崖と谷が入り組んだ山岳地帯で、山という山を車で1時間半ほど走らないと着かないらしい。
標高1450~1800メートル。

そんな農園主はカサブランカ農園(ニカラグアCOEで何度も受賞、国内で初めて機械での生産処理ラインを導入など)のオーナーとして有名なセルヒオさん。

「幻のコーヒー」と言われるワケは、このジャバニカはその農園内で栽培されるうちの僅か1トン程度のみだそうです。
1トン=1000kg。
60kg麻袋で考えると16.6袋!!
いったい日本に何袋来たのでしょうか、、、
それも遥々神奈川の山奥まで、、、

で、次の呪文単語は「ジャバニカ」です。
これは品種の名前。

ルーツはエチオピア→インドネシア→ニカラグア
コーヒー発祥の地、エチオピアのカファ地方を起源とするティピカ ロングベリー系。
オランダ人が植民地であるインドネシアのジャワ島に持ち込み栽培。
ジャワ島のコーヒーとして根付き「ジャバ、ジャワ」と呼ばれるようになります。
そしてニカラグアに渡り、変化し「ジャバニカ種」と呼ばれるようになりました。

ジャバがニカラグアでジャバ+ニカ(ラグア)かよ!!安易じゃね?と思ったのは内緒ですw

で、最後はレッドハニー。
こちらはコーヒー豆の精製方法(ハニープロセス)となります。

精製はナチュラル(自然乾燥式)、ウォッシュト(水洗式)というのが大まかにありまして
ざっくり言えばナチュラルはコーヒーチェリーのまま乾燥して脱殻
ウォッシュトはチェリーを水槽に入れ浮くの(未成熟等)と沈むのに分け、外皮とか果肉とか取り除いて発酵樽に入れてから洗って乾燥して脱殻

他にも精製方法はあるのですが、書くと更に長くなってしまうので割愛します。

で、ハニープロセスとは
コーヒーチェリーの外皮と果肉を取り除く(パルピング)と、パーチメントという内果皮を覆うぬめぬめしたミューシレージというのがあって、それは別名「ミエル」といいます。
ミエルはスペイン語で蜂蜜という意味です。
ミューシレージが残った状態で乾燥させることで、果実としてのコーヒーチェリーが持つ果実感やら甘みやら美味しいとこをコーヒーに残してあげるのです。

そのミューシレージをどの程度残すか、によって名前が変わります。
ホワイトハニー ミューシレージを約10~20%残し乾燥
イエローハニー 約40~50%残す
レッドハニー  80~90%ほぼ残す
ブラックハニー 80~90%ほぼ残し、糖度の高いチェリーを使う

当然ミューシレージの量によって乾燥時間も異なります。 
と、いうのが一般的なのかな。

が、このエンバシーレッドハニーはチェリーを収穫後、黒いビニールに入れて一晩寝かせてじっくり発酵。
その後パルピングをして、撹拌しながら更に発酵を促します。
ミューシレージの甘みが浸透したらアフリカンベッドで乾燥させて完成。

本当に最近のコーヒー栽培は、、、すごい。
標高や土壌など環境的条件だけでなく、栽培方法や収穫、そして精製に至るまであらゆる知恵による工夫や努力、そして時間と手間を掛けている。

だからこそ、焙煎と抽出で更に検証して
様々な魅力を探し、堪能したいと思うのです。

今店頭に出ているものは、半熱風式の釜で2パターンの焙煎をしたものです。
気になるお味は、香りと余韻がとても良いことだけお伝えしておきます。
ぜひお試しください。

まだまだ検証は足りず、今後はまた違うアプローチで魅力をお伝えしたいと思いますのでお楽しみに。


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