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the four GAFA スコット・ギャロウェイ

the four GAFA スコット・ギャロウェイ

四騎士が創り変えた世界

◯四騎士のいま

・アマゾン
ポルシェのスポーツカーや、ルブタンの高さ10cmのピンヒールを買うのは心躍る体験だ
しかし、おむつや歯磨き粉を買いに行くのはそれほど楽しくない

同社の手法は、消費者の自宅に商品を届ける、いわゆるラストワンマイルのインフラへ、かつてはいほどの巨額の資金を注入することだった

・アップル
ビジネス界ではとうてい無理と思われてきた目標、すなわち低コストの製品をプレミアム価格で売ることに成功した
歴史上最も利益の大きな企業となった

・フェイスブック
普及率と使用率を基準にすれば、人類史上最も成功している企業といえる

・グーグル
毎日35億の質問からデータをこつこつと集め、消費者行動を分析している

◯アマゾン

1兆ドルに最も近い巨人

2016年の小売業界はアマゾンの一人勝ちで、他者にとっては大惨事とまとめられる
eコマースの会社は爆発するのではなく、ひっそりと消滅する

□小売業形態

・町角の店舗
だいたい家族経営でコミュニティのなかで社交場としての役割を担い、ラジオやテレビが現れる以前、地元のニュースが集まる場所であることも多かった
強みはカスタマーリレーションシップ・マネジメント(CRM)だった
オーナーは常連客をよく知っていて、その人の信用によって支払いを猶予したりした

・デパート
サービスを通じた差別化という概念、そして限られた時間とはいえ、顧客の友人や買物ガイドになるというアイデアが新たな境地を開いた
大規模な小売店に下町的な人間関係を持ち込むため、店舗レベルでも人材に投資するようになった

・ショッピングモール
自動車のおかげで郊外の住宅地が発展した、いくつかの種類の小売店を一か所に集め、その間にフードコートや映画館を配置し、郊外のメインストリートとなった

・大規模小売店
消費者はあらゆる意味で優先する方向に舵を切った
出来る限り安い価格でものを買うことが、特定の企業、分野、コミュニティの健全さよりも重要なことになった

・専門店
“より多く、より安く”への行進によって、洗練された高級品や人が羨まむような生活を求める消費者は行き場を失った
そこで登場したのが専門店だ
そこでは裕福な消費者が、価格は気にせず高級なブランドや商品を買うことができた
インテリア雑貨のボッタリー・バーン、食料品チェーンのホールフーズ・マーケット、高級インテリアショップのレストレーション・ハードウェアなど

・アマゾンのポジション
資本を食う店舗を持たなかったため、ペゾスは倉庫の自動化に投資することができた
規模は力であり、アマゾンは実際の小売店にはできない低価格を提示することができた

ベゾスはアマゾンのパートナーをどんどん増やしていった
彼は本とDVDの狭い世界から、あらゆるものの世界へと出ていった

このような攻め方は軍隊用語で「見るobserve、わかるOrient、決めるDecide、動くAct」の頭文字を取ってOODAループと呼ばれる
すばやく決断し行動することにより、敵が自分たちの最新の作戦に対応している間に、こちらは次の作戦に移ることができる
アマゾンの場合、これを徹底して消費者を相手に行われた

小売企業がアマゾンゴーに苦しめられる。同様にコンピューターメーカー、そしてまもなくあらゆるブランドが、アマゾンエコー(アレクサは人工知能)によって苦しめられる

消費者からの絶大な信頼をもとに、アマゾンは彼らの会話を聞き、消費者データを集めることができる
それによってアマゾンは他の企業よりも、顧客の私生活や消費者の願望のさらに奥深くを知ることができる

ゴーやエコーにより、アマゾンが全面的にクリックなしの注文へと向かっていることがはっきりした
アマゾンはまもなく消費者の意思決定や注文という作業なしに、物質的な欲求を自動的にすくい上げ、満たしてくれるようになるだろう

ビッグデータと消費者の購買パターンについての知識らに深めれば、それが可能になる
この概念を「プライム・スクエアド(プライムの2乗)」と呼んでいる

これまで企業と株主との間に暗黙の了解は、「我々に数年間と数千万ドル与えてください、そうすればいずれ利益という形で資金を返せるようになります」ということだった

アマゾンはこの慣習を打ち壊して、ビジョンと成長を利益の代わりに提供している

ストーリー:世界最大の店
戦略:低コスト、より多くの選択肢、より迅速な配送、こうした消費者利益への巨額投資

市場はアマゾンの株により高値をつけ、極めて安い資本を提供している

大半の小売企業の企業価値は利益の8倍程度のところ、アマゾンは40倍である

アマゾンの革新的な資本配分は、実は何世代にもわたってビジネススクールで教えられてきたことだ

長期的な目標を見据えて、短期的な投資家のニーズは完全に無視する

アップルとグーグルの自動運転車プロジェクトや、フェイスブックがユーザー課金を増やすために定期的に導入する新しあ機能を考えてほしい

彼らは実験が上手くいかなければ、すぐに撤退する

ベゾスの最初の年次書簡に書いた通りだ「失敗と発明は不可分の双子だ
新しいものを生み出すには実験が必要だ
そして最初から上手くいくことがわかっていたら、それは実験ではない」

未来の小売はいまのところ、アマゾンの現在の形態よりセフォラに近いように思える
しかしアマゾンは消費者のマルチチャンネルの夢を実現し、他の小売企業を巻き込む力(資本、技術、信頼、顧客への配送)を持っている

ではなぜオンライン・リテールのアマゾンが、マルチチャンネル・リテールに参入しなければならないのか

それはeコマースには伸ばしろがなく、eコマース専門の企業が長期的に生き残るのは難しいからだ

eコマースでは、顧客のブランドへのこだわりが減るのにともない、顧客獲得コストが上がり続けている

破壊される雇用に代わるだけの仕事を新たに生み出すことはない
ベゾスほどの洞察力と影響力を待つ男がそう結論している

中産階級を維持する方法を見つけなければならないという重荷を背負うことをやめてしまった

◯アップル

□ジョブズという教組を崇める宗教
物体がスピリチュアルな目的に使われるとき、それが神を崇めるものとして神聖視されることはよくある
スティーブ・ジョブズはイノベーション・エコノミーのキリストとなった

ジョブズはハリウッド並みに芝居がかかるようになる
ナップスターが開始したファイル共有サービスが音楽業界を破壊すると警告した
こらにより音楽ダウンロードによる海賊行為に対する過剰なまでの反応を引き出すことに成功した

そして同社の最高傑作が登場する舞台は整った、iPhoneだ
アップルの成功の陰のヒーローは、ナップスターの創業者ショーン・ファニングである
彼の会社の脅威により、音楽業界はアップルの手に落ちた

バージニア州のタイソンズコーナーに初の店舗を構えた
アップルの店舗はGAPより派手だった
ほとんどの専門家はあきれた

店舗なんて過去のものだと、インターネットこそが未来だ、スティーブ・ジョブスがそれを分かっていないのかと

その店舗はたしかに、テック業界を変えた-そしてアップルを高級品へと押し上げた
iPhoneでアップルのシェアは増加したが、ブランドイメージと利益率を上げたのは店舗である

アップルの店舗の1平方フィート当たりの売上は約5000ドルで、第2位のコンビニとは50%の違いがある
アップルの成功の決め手となったのは、iPhoneではなく、アップルストアなのだ

マッキントッシュの時代から、アップルはテクノロジー企業という看板を下ろした
アップルの現在の事業はテクノロジーではない、人々に製品、サービス、そして感情を販売することだ

アップルは「製品の価格は高く、生産コたたストは低く」を実現した
それができたのには3つの理由がある

1.大半のテック企業(特に消費向け)に先駆けて製造ロボットを重視したこと

2.世界的なサプライチェーンを確立したこと

3.サポートとIT専門家の力を背景に小売業としての存在話を確立したこと

◯フェイスブック

フェイスブックは世界的な影響力、ほぼ果てない資本、そして極めて優秀なデータ処理能力を持つAIマシンだ

フェイスブックがInstagramで成功した要因は、そのスピードとマーケットへの順応力にある新機軸を次々と生み出す能力は、ほかに類を見ない

◯グーグル

グーグルら誰に対しても知識を授けてくれる、生い立ちや教育レベルは関係ない

スマホ、インターネットに接続できる環境があればどんな質問にも答えてもらえる
人間は1日に35億回も、視線を上にではなく、下に落として画面を見ている

グーグルのアルゴリズムは有用な情報を大量に呼び出す
その検索結果は私たちにとって祝福だ

他の騎士と同じようにグーグルは価格を上げるのではなく、下げることが多い

いまやグーグルの時価総額は、グーグルの次に大きなメディア企業8社の合計と同じだ

◯四騎士はペテン師から成り上がった

盗みは、成長スピードが速い企業のコア・コンピタンスである

騎士たちの罪は次の2つのいずれかに入る

1.他の会社の知的財産を拝借
悪質なのはそれを本来とは別の目的に使って利益を上げ、、稼いだところでその知的財産を保護する点だ

→自分たちで革新的なアイデアを思いつかなくても、未来の騎士になれる可能性があること

2.他の誰かが築いた資産を使って、それを開発した人にはできないやり方で利益を上げること

→いわゆる先行者利益が必ずしも利益にならないということ

四騎士のもう1つのずるいやり方は、情報をどこかから借りて、それを相手に返すときにお金を取ることだ

情報は他のすべてのものと同じように、魅力的で、唯一無二で、高い値がつくものになりたいと思っている
情報は高価にもなりたがっている

フェイスブックはユーザーにコンテンツを作らせ、そのコンテンツを広告主に販売し、広告主はそれをつくったユーザーに向かって宣伝する

四騎士はどこも多かれ少なかれ犠牲者の目を欺いている

ブランド企業はフェイスブックのコミュニティに資金を投入して、後になってそれが自分たちのものではないと気づく

販売者は新たな顧客を多数獲得できるて信じてアマゾンに加わるが、後になってアマゾン自体と競争していることに気づく

ウーバーは多くの市場であからさまに法律違反をしている
ドイツではあのような業務形態は禁じられている、フランスでは罰金を科せられる、そしてアメリカの様々な地域で、ウーバーは業務停止命令が出されている
それでも投資家は列をなして同社に何十億ドルも差し出す

法律があって革新者がいる、金を産むのは革新者だ

◯四騎士が共有する「覇権の8遺伝子」

四騎士に共通する8つの要素がある

1.商品の差別化
形あるものに限るという考えにとらわれるべきではない、差別化は消費者がそれを見つける場所、買い方、配達法など、様々なところで起こりうる

2.ビジョンへの投資
安い資本を集める力
それには理解しやすい大胆なビジョンが必要だ

グーグルのビジョンは「地球上の情報を整理する」
フェイスブックのビジョンは「世界をつなぐ」

安い資本で実現した自己達成的予言もある
現在のデジタル時代における天才とはわ次のようなCEOだ

「ビジョンを雄弁に語るストーリーテリングの才能を持ち、マーケットの予測を把握する、それと同時に、自分の周囲を、ビジョンに対して毎日少しずつ進歩させられる人々で固めることができる

3.世界展開
これらの要素からあるアルゴリズム、1兆ドル企業になるためのルールが生じる
これをよりよい資本配分のためのTアルゴリズムと呼んでいる

世界に打って出る能力
本当の意味で大きな意義のある会社になるためには、国境を越えて世界中の人にアピールする製品が必要だ

もし第五の騎士になりたければ、あなたの会社の製品にパスポートを持たせる
つまり、世界中に売り込む必要がある
それも創業から5年以内に

4.高感度

5.垂直統合
物を買うときほ消費者体験すべてを垂直統合でコントロールできることだ
四騎士はすべて流通をコントロールしている

製品を自社生産していなくても、その調達、営業、販売、サポートを行う

6.AI
データへのアクセスとその活用能力である

7.キャリアの箔付けになる
トップクラスの人材を集める力
そのためには求職者にとってキャリアの箔付けになる仕事であるとみなされる必要がある

8.地の利
さらに今後50年、世界のGDPの成長は都市部で起きる
都市には最高の人材が集まるだけでなく、都市が最高の人材を生み出す

競争とチャンスがあふれる場所で働くことは、トッププロテニスプレーヤーとラリーをするようなものだ

イギリスやフランスを含め、多くの国で国家のGDPの50%は都市部で生まれている
大企業の75%は、いわゆる巨大都市圏にある
今後25年間、この傾向はさらに進む可能性が高いむ

◯GAFA以降の世界で生きるための武器

個人が成功するために必要な内面的要素

・心理的成熟
何より重要なのは心理的成熟である
競争と製品サイクルが短くなり、仕事上の失敗も成功もすぐに結果が出るようになった

そのような状況の中では、自分の熱意をどうコントロールするかが大切である

・好奇心
好奇心も成功には重要だ
まだ聞いたこともない新しい動画やテクノロジーに取って代られるのだ

・当事者意識
特筆すべきまもう一つのスキルは当事者意識である
チームの誰よりも細部にこだわり、何をいつ、どのように終わらせる必要があるか検討する

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