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ヨーロッパ買い付けのはじまりの短い話
「ヴィンテージアクセサリーの買い付けに行きたいって思ってるんですよね」
交差点のはじっこで積もった雪を踏みつけながら、わたしは上司に告げた。
当時webデザイナーのかけ出しをしていたわたしは、くすぶっていた。
入社して1年もたたないうちに、先輩デザイナーもエンジニアも、みんな嘘みたいに辞めてしまった。
残されたのはわたしたった一人で、半ば自暴自棄になっていたのかもしれない。
1ヶ月も会社を休んでヨーロッパへ買い付けに行きたいだなんて、入社1年目の社員が言うことじゃない。しかも打ち合わせ帰りの、道端で。
しかし上司の返答は意外なものだった。
「へえ〜、いいんじゃない?」
仕事はどうするのとたぶん渋い顔をされるだろうから、いざとなれば会社を辞めてでも行こうと思っていたわたしは、拍子抜けした。
上司は、本当に挑戦してみたらいいんじゃない?面白そう。という口調で言うのでなんだか逆に背中を押されてしまって、それから約半年の後、あれよあれよと言う間にわたしは3週間のヨーロッパ買い付けの旅へ行くことになった。
2018年5月末、二度の飛行機乗り継ぎの後、わたしはオランダのスキポール空港に降り立っていた。
それ以降わたしは、ヨーロッパでヴィンテージアクセサリーを仕入れ、日本で売るという生業をすることになる。
途中お休みをしたりもしたけれど、ほそぼそと活動を続けてこれたのは、やはりこの「買い付け」という行為によほど惹きつけられているからだろう。
これからnoteでは酸いも甘いも起こる買い付け旅のことを記録していきたい。
antique pinrougeを知っている人も知らない人も、楽しく読んでくれますように。