姿勢は大事だろ
この前地元に帰った時に、駅で路上ライブをしているのを見かけました。20代くらいの若い男子が独り。寒空の下、ギター1本と歌声で勝負です。
僕もしがない夢追人(ゆめおいんちゅ)ですから、彼がその道で成功して覇者になってほしいものです。
ただ、これだけは言わせてください。
絶対に成功して欲しくないッ・・・。
もう一回言います
絶対に成功して欲しくないッ・・・。
何て言うんですかね、同族嫌悪なんでしょうか。彼に本当に成功してほしいと思ってますよ。ただね、本当に成功して欲しくないんです。
「俺はこういう人間だ」
ビックダディもそう言ってましたし。そういうことなんです。
ごめんなさい。僕はそういうやつなんです。
こんな調子だとエーミールに
「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな。」
と初対面なのに言われてしまいそうです。
懐かしいですよね。小学校か中学校の国語の授業でやりましたよね。少年の日の思い出。かなり鮮明に記憶に残っている一節です。
まあそれはさて置き、彼の演奏する姿を見てふと思ったんです。
「あれ、こいつ何で座ってるんだ・・・?」
想像してみてください。普通路上ライブって立って歌ってるイメージありませんか?でも彼は座りながら歌っていたんです。あぐらかいて。駆け出しなのに?
座りながらやっていいわけがありません。ましてや駆け出しなのに?
疑問に思ったのでGoogleで「路上ライブ 駆け出し」で検索してみましたが、大半の画像は立ってました。僕は今、Googleを味方につけました。Googleがケツ持ちしている状態です。
僕は先にも述べたように「そういうやつ」なので、座っているのがどうも腑に落ちません。
詳しくいうと
「駆け出しのやつが何で座っているんだ」
もっと詳しくいうと
「座っている駆け出しのやつの音楽を誰が聞くんだナメるな立て」
となります。
書いていて自分が本当に「そういうやつ」なのが悲しくなってきました。でもたぶん僕も「そういうやつ」に同じこと思われてんだろうなぁ。嫌な関係図ですね。良くないです。
でも安心してください。僕は立ち仕事の接客業の方でも暇なときには座っていてほしい側の人間です。ちゃんと良心はあります。
そこで、です。この僕の思いを少しでも浄化するべく、ちょっとした検証をしてみたいと思います。題して、
座って行うエンタメに人は金を払うのか?
という命題を掲げました。考えてみましょう。ミュージシャンはエンタメの1種です。どの分野にも駆け出しのやつは存在しますし、エンタメとお金は相互関係にあるので、座って行うエンタメさえ存在すればいいんです。そんなエンタメあるか?ないだろ。
大変です。緊急事態。考えてから間も無くこいつが暴れてました。
落語家という存在
やられました。灯台下暗しとはまさにこのこと。敵は本能寺にあり。まさかこんな身近な場所に敵が潜んでいるとは。まあでもなぁ〜落語家は正座してるからノーカンじゃないか?
検証結果
落語家が現存する限り、座って行うエンタメは駆け出し・プロを問わず、その存在を保障される。加えて、「そういうやつ」を黙らせる最強のカードとなる。
でした。でも僕は強いて言うならば、
「立っている」路上ライブミュージシャンの方を応援します。
姿勢は大事だろ
中村タッキュウ