平和と向き合う令和
広島を初めて訪ねる。
魂が浄化される感覚があった厳島神社はもう一度訪ねたい場所だ。
夜行バスで朝に着き、お昼は牡蠣ご飯を食べて、原爆資料館により、倉敷へ移動するタイトな旅となったが、得るものは大きかった。
修学旅行で訪れがちな広島だが、私の場合は長崎だったので初めての広島の地。雨予報のはずが、しっかりと晴れている。カラッとした秋の始まりを思わせる空気の中、向かうは厳島神社。
広島駅からJRとフェリーを乗り継いで1時間程度の道のり。30分に1本ほどのフェリーを待つ列では、「晴れて良かったですね」なんて世間話を話かけられる。
東京にいると話かけてくるのは、ナンパか手相占いか道を聞かれるくらいなので、久しぶりの感覚。
気持ち良い風を感じて、ほんの少しのフェリー旅。……まさかの大鳥居の工事中だなんて知らなかったけど。驚きだ。この時点でまた来ようと思うんだけど、かえって空いていてよかったかもしれない。
気を持ち直して、上陸。思ってたイメージと違い普通に陸だった。厳島神社周辺にも、鹿がいるとは知らず、楽しく写真を撮る。
境内へ入ると神社というよりも、神殿というイメージ。神様がいそうだ。
「千と千尋の神隠し」のイメージでもあるけれど、水の満ち引きがある場所には、神様がいっぱい訪れそうだ。
神社を訪れる時は、私なりの参拝方法がある。
「私の中のモヤモヤした何か」を一つ自分の中に浮かべて、大きく息を吐いて、その気持ちを神社に置いていくんだ。
その代わりに「自分の中に新しく取り入れたい何か」目標だったり望みをお祈りして、絶対やる!って宣言する。
だから神社参拝は定期的にいくのが好き。
今回も「私の中のモヤモヤした何か」を吐き出した。
その時に、胸にスーっと何かが通って行ったんだ。胸が軽くなった。
別にスピリチュアル信者じゃないんだけど、神社って不思議だよね。
厳島神社の参道も賑やかで楽しい。
牡蠣は大好きだけど「観光地はコスパがなぁ」なんて思いながらも、我慢できず食べた。安定の美味さ。1年中牡蠣が食べられるという「焼きがきのはやし」さん。お一人様がとても多いので、交流しながら食べられる。
牡蠣飯を待っている間に、厳島神社での花火大会の模様を店員さんがiPadで見せてくれた。水面に映る花火と大鳥居のコラボレーションが素晴らしそうだ。
広島も豪雨で被災して、花火大会が相次いで中止だと言っていた。日本中被災地だらけだ。私にできることは、その地を訪れ、楽しんで、少しでも復興に貢献することくらいだ。
待ち時間が長かったので、焼きがきはオーダーせず。疲れもあり、今回は店内でゆっくり食べられるスタイルをとったが、食べ歩きもいい。
クラフトビール、焼きがき、生牡蠣、牡蠣飯おにぎり、もみじ饅頭。
次回は、この食べ歩きで決まり。
ご飯も食べてお腹いっぱい、ゆったり路面電車で原爆資料館へと向かう。
天気も良くて、ゆらゆら揺れる車内は空いていて、お昼寝するのに気持ちよかった。
ついこの間アウシュビッツを訪ねたばかりで、メンタル的に大丈夫かと心配になりながら訪れた原爆資料館。
アウシュビッツ同様、世界中からの観光客に加え、修学旅行の小学生たちがたくさん。
資料館自体は、とてもゆったりと綺麗にされていて、アウシュビッツほどの落ち込みはなく、見ることができた。
戦時中とは言いながらも、当たり前に過ごしている日常。
ほんの一瞬で何もなくなる。
この行為を同じ種類の生き物同士で行う人間とは一体なんなのか。そう思った。
生き残ってしまった時に、背負うものがあまりにも大きすぎて、私には被爆者の気持ちを真に理解することができない。でも、理解する努力はしようと思う。
平和な世界で過ごすことができている私たちは、つい先週の台風のように、今まででは想定してこなかった規模の災害に見舞われている。その時代ごとに、抱えている問題は変われど、何かと向き合う必要に、かられながら生きている。
災害も戦争も誰のせいでもないし、誰かがどうにかしてくれるものでもない。生まれた環境がそうであったから。現状を認めて、向き合うしかできないんだ。
とは言っても、戦争は人為的なものだから、決して2度と繰り返さない強い意志を一人一人が持っていれば、同じ過ちは犯さないと思いたい。次の世代のためにも、日々を丁寧に大切に生きる。
話が逸れてしまったけれど、広島を訪れると「平和と向き合う」「人間と向き合う」「自分と向き合う」ことができた。そして少し気分が軽くなった分、吸収できるスペースを作れた旅になった。
アウシュビッツに訪れたときの話。
noteのいいね数が伸びないから、話題のせいかなと思ったけれど、読んでみたら内容が雑だった。自分の忘れたくないことを綴るにしても、人に見られる場をいただいているのだから丁寧に書かねばと反省した。
少し手直しをしてみて感じたが、書くことも楽しいが、時間がたった文章を編集目線で書き直して、いいものになったらもっと楽しい。
ライティングスキルについても、丁寧に学びながら書きたいという願望。