
食道がんステージ2手術後の選択-臨床試験に参加するか、経過観察にするか?
私は食道がんステージ2の診断を受け、手術を受けました。食道の大部分を摘出する「食道亜全摘手術」です。その前にはDCF療法という抗がん剤治療(術前化学療法)も行い、なんとか乗り越えました。手術は無事成功し、術後の病理検査の結果、完全奏功(がんが完全に消失している状態)との診断を受けました。
あくまで今の所ではありますが。
正直、ここまで順調に来られたのは本当にありがたいことです。でも、まだ安心しきれない状況でもあります。今回は、手術後の治療についての選択肢に迷っていることを書きたいと思います。
術後補助療法としての「ニボルマブ」臨床試験の提案
術後の経過観察をしていく中で、主治医の先生から「ニボルマブ」という薬を使った臨床試験の提案がありました。この薬は、がん治療の最前線で使われている「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれるもので、簡単に言うと、自分の免疫を活性化させてがん細胞を攻撃するお薬です。
以前の記事でも書きました
主治医からはこう説明されました:
• 食道がんは再発率が高いので、予防として術後補助療法を考えたほうがいい。
• ニボルマブを1年間投与する臨床試験に参加を考えてみては。
• 費用は保険適用ですが、それでも治療費が高額になる可能性がある。
私は、臨床試験という響きに少し戸惑いを覚えつつも、「完全奏功しているのに治療が必要なのか?」という疑問がどうしても頭を離れません。
「完全奏功」しているなら、治療は必要?
手術後の検査で「完全奏功」という結果をもらったとき、私は内心「これで終わりだ」と思っていました。がん細胞がなくなっているのだから、あとは経過観察で十分ではないか、と。実際、がん治療において完全奏功はとても良い結果だとされています。
しかし、主治医は次のように説明しました:
• 再発率が高いのが食道がんの特徴である。
• 完全奏功していても、体の中に残った目に見えないがん細胞が再び増える可能性がある。
• ニボルマブによる補助療法は再発のリスクを下げる効果が期待されている。
「それなら治療を受けたほうがいいのかな」と思いつつも、「完全奏功なのに、1年間も治療を続ける必要があるのか?」という気持ちもあり、結論が出せずにいます。
PD-L1検査の結果待ち
さらに、今回の治療の効果を見極めるために、「PD-L1検査」というものを行っています。
PD-L1は、がん細胞や免疫細胞に存在するタンパク質で、これが多く発現しているとニボルマブがより効果的だと言われています。
現在、この検査の結果を待っている段階です。もしPD-L1の発現が高ければ、「ニボルマブが効果を発揮する確率が高い」ということで、臨床試験に参加する決断がしやすくなるのかもしれません。ただ、検査結果が低かった場合はどうしようか……と考えると、迷いがさらに深まります。
費用の不安と治療期間の長さ
費用の面でも不安はあります。
主治医の説明によると、ニボルマブは保険適用にはなりますが、それでも自己負担分が結構かかるとのこと。高額療養費制度を使えば月々の負担額は抑えられるにしても、1年間も治療が続くとなると、その費用が家計に与える影響は無視できません。
さらに、1年間という治療期間の長さも気になります。副作用のリスクや治療のスケジュールを考えると、生活の質にも影響が出るのではないかと思っています。
どうするべきか?
今のところ、次の2つの選択肢を考えています:
1. 経過観察を選ぶ
• 完全奏功しているので、定期的な検査を受けながら、がんが再発しないことを祈る。
• 治療費の負担や副作用を避けられる。
2. 臨床試験に参加する
• 再発リスクを少しでも下げるために、ニボルマブによる補助療法を受ける。
• 1年間という期間を覚悟して、がんとの戦いを徹底する。
結論はまだ出せないけれど…
私はまだこの選択に結論を出せていません。PD-L1検査の結果が出てから、家族とも相談して最終的な決断をするつもりです。
何度も出てくるキーワード「食道癌の再発率は高い」
なかなか癌患者にとっては気味の悪い言葉ですよね…
同じようにがん治療で迷っている方や、同じ経験をされた方がいたら、ぜひお話を聞かせてください。再発が怖い一方で、生活の質や治療費のことも無視できず、悩む日々です。でも、どんな選択をしても、前向きに生きていきたいと思っています。
また結果が出たら、このブログで共有しますね!
このブログでは、私の食道癌との闘いを記録していきたいと思います。同じ病気と闘っている方、そして、これから検査を受ける方にとって、少しでも参考になれば幸いです。