小島信夫を読んで考える13(野本240904)
文章が固い感じがした、というのは、おそらく、いや、確実に自分が死についてじゅうぶんに考えるだけの思考をもっていないからだろう。身近な人の死を体験していないわけでもない。わたしだっていつか死んでしまうし、それは確実に未来に訪れる。怖いとか、恐ろしいとか、そんな感覚がないといったら嘘になるけれど、物心がつきはじめたころに比べるとかなり薄くなってきている。自分が死んでからも世界は在り続ける。以前わたしの前からいなくなった人がこの世界からいなくなっているいまも、わたしはその人たちの