会社辞めて、フリーライターになった。
ここ数ヶ月の変動ぶりは、アラサーにはきついものがあった。
というか、キツイなんてレベルじゃない。
まず、勤めていた会社が経営難に陥り、綺麗さっぱり解散と相成った。
別に誰を恨むでもなく、従業員の一人として本当に悔しいという気持ちなのだが、それでもやっぱりキツイ。
七月は残務処理に追われた。
ついでに次の勤め先を必死で探したのだが、ど頭から正社員で時短勤務でこの給与水準をキープして、なおかつやりがいのある仕事を探すというのはなかなかハードだった。
結局七月中に転職先は見つからなかった。
そこで私は考え方を変えた。
フリーになればいいじゃん、と。
そもそもライター志望だったので、とりあえず物の試しで、ある媒体に企画を送りつけた。
ほとんど思いつきだったので、1時間か2時間くらいで書き上げた恋愛小説だった。
そしたら、なぜかそれが通った。
私は舞い上がっていそいそと、その本社へ行き、暑苦しいプレゼンをしてなんとか連載の枠を勝ち取ったのだ。
だが、勝ち取ったら最後、その先に待ち受けていたのは絶望にも似たプレッシャーだった。
約20万人のユーザーを抱えているその媒体で、ぽっと出のへっぽこライターが突如、鬼才ぶりを発揮し馬鹿みたいにバスる。
なんて事は一切ない。
毎週、ひいひい言いながら原稿を上げている。
コメント欄は恐ろしくて読むこともできない。
炎上を恐れて日和った第2話を提出したら、担当さんから総ツッコミをもらい(ありがたい)、結局、どこぞの陶芸家のごとく初稿を破り捨てて全部書き直したりもした。
本当に関係者の方々には迷惑しかかけていない。
自分の無力さを呪った。
毎話、修正の多さに白目を剥き、コンクリートに頭を打ち付けたくなる。
大丈夫です、余裕で書けます!あはは!
と、1ヶ月前の私は言った。
ぶん殴りてえ!
文章を書くという事が、どれほど重い責任を伴う業務か、全然わかっていなかった自分を殴りたい、、、。
とにかく私は今、フリーランス最初の沼にハマっている。毎日もがき苦しみながら書いている。
毎日のように近所のスタバに通い詰め、ひたすら書いて書いて書きまくっている。
スタバにコンセントがあるせいで、電池が切れたんで帰ります、が、できない。
スタバが異様に広いせいで席が全然埋まらないから、他のお客様のご迷惑になりようがない。ソファはやたらと座り心地が良くて腰が痛くならない。
コーヒーを頼めば¥150でお代わりできてしまうので、2杯目のハードルが低すぎる。
帰れない!
本当に苦しい。
けれど、私は書き続ける。それこそ血反吐を吐きながら脳みそを絞って書き続ける。
恋愛がわからなくなれば、恋愛小説と心理学の本を引っ張り出したりもする。
ついに、第1話が公開された時、いろんな人から温かい言葉をかけてもらった。
早く続きが読みたい!と言われた日には、公開前の原稿を送りつけてしまいたい衝動にかられる(送りません)。
私は、今でも自分の書いた文章が世に出てしまった事を、心底怖いと思っている。
扱うテーマも非常にセンシティブで、正直なんでこんな壮大なテーマをけろっと提出してしまったのか今でもよくわからない。
けれど、自分が書いた文章に責任があり、それを全うし、伝えるべき事を伝える。
果てし無いほど、やりがいのある機会なのだ。
いままでのどんな仕事よりも意義があると感じている。
だから、今、私は
苦しいけど、楽しい。
そんな風にフリーライターの道を歩き始めている。
ちなみにそろそろ貯金がやばいので、安定して働ける場所もさがしていたりする。_:(´ཀ`」 ∠):