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伊勢廣 京橋本店
去年から職場は京橋に移った。厳密には八重洲だが、時と場合によって「銀座に勤めてます。」とか「京橋に勤めてます。」とか適当なことを言える大変便利なエリアである。
そして今日は便宜上、京橋に勤めている、という体で話そうと思う。
このエリアのランチの選択肢は非常に多い。多すぎて泣きたくなる。
その中でも一際お気に入りなのが「伊勢廣 京橋本店」である。
お気に入りではあるが、頻繁に通っているわけではない。せいぜい月に一回あるかないかだ。
それは焼き鳥4本丼¥1,550という値段に由来しているとも言えるが、理由はそれだけではない。
大概お気に入りの店に行く時、私は凹んでいる。
特に2018年初めの頃はひどいものだった。
Googleアナリティクスに振り回され、自分の提案はことごとくリジェクトされ、気がつけばゴミのような会議資料を量産し、あれよあれよとデススパイラルに巻き込まれていった。
UUもCPCも分からない私は、とりあえず分厚い本を買って、それを片手にパソコンにかじりついてみたものの、分析が何なのかをさっぱりつかめずにいたのだ。
セッション数や直帰率を読み解けない自分を責め、まともなKPIもKGIも立てられない自分が許せなかった。
いつのまにか正気を失った私はこの時、週に一回のペースで焼き鳥丼を頬張っていた。
Googleアナリティクスに振り回された結果、完全にわたしの行動フローは「伊勢廣京橋本店」に向かい、4本丼にコンバージョンし、離脱などほんの少しも考えられなかった。
平均セッション時間は待機時間を含めてだいたい30分ほどだが、非常に満足度が高い。
最後のお米一粒まで残さず平らげる頃には、なんかもう分析とかどーでもよか!
と、思えた。それぐらいの気持ちであのチャートに向き合うくらいがちょうどいいのだろう、と。
そんな日々をしばらく過ごし、そろそろ週1でここに通うと破産する気がしてきた頃、ようやくGoogleアナリティクスと和解するに至ったのだ。
なんか距離感掴めたぽい、と。
前ほどの頻度ではないが、今も「伊勢廣 京橋本店」を訪れる。
もちろん盛大に落ち込み、現実に打ちのめされ、仕事にがんじがらめになった時も、そして、そうでない時も、少しだけランチを特別にしたい時には、ここに行くのだ。