こどもの風邪、親のこころ。
子供が熱を出した。
もう、この季節の風物詩みたいなものなので特に驚くこともないのだけれど、目の前で苦しんでいる我が子に何もしてやれないという無力感を感じる瞬間でもある。
会社を休み、病院へ行った。
診断結果は、やはりというべきか、毎年恒例の胃腸炎である。
どうりで朝からゲエゲエなはずだ。
薬をのませ、少し落ち着いた様子の我が子を見ていると何故かどうしてか涙が溢れそうになる。
それは、体調が悪いことにすぐさま気づいてやれなかった自分への怒りか、あるいははやく治って元気になってくれという祈りなのか…。
そのどちらも、なのか。
ようやく眠りについた息子を寝室に寝かせ、私はせっせとゲロまみれになったアレコレを片付ける。
消毒して洗濯して乾かして…。
すると、しばらくして息子の泣き声が聞こえる。
慌てて寝室に向かうと、またしてもゲロゲロになった息子。
布団を汚して怒られると思ったのだろうか、それとも苦しくて泣いているのだろうか。
私は息子を抱いてお風呂場で綺麗にしてやって、着替えさせ、シーツと布団カバーを替えた寝室へと連れていく。
これが結構体力をつかう。
それからまた消毒と洗濯を繰り返す。
合間に仕事をしようと思ったけれど、そんな気にもなれなかった。
ただひたすら、消毒と洗濯に明け暮れた。
早く良くなるようにと、半ば祈るような気持ちでシーツも布団カバーも洋服もガシガシ洗った。
ようやく週が明けたところで我が子は元気を取り戻した、と思う。
熱は下がったし、もう吐かない。
今朝は恐る恐る出社した。しかし、これで良かったのか不安も残る。
あー、もう、なんだかな!
という、出口のない私の想いである。