見出し画像

2019年一橋大学/国語/第三問(200字要約)/解答速報

【2019一橋大学/国語/第三問(200字要約)/解答速報】

#2019年 #東大 #京大 #東北大 #九大 #北大 #阪大 #名大 #一橋大 #現代文 #解答速報 #グレイトヴォヤージュ #過去問データベース ↓↓↓
https://www.greatvoyage.jp/database/

出典は山口裕之『「大学改革」という病─学問の自由・財政基盤・競争主義から検証する』。

<GV解答例>
主に大富豪の寄付により設立されたアメリカの大学では、市民が憲法上の「言論の自由」を得た後も、教師が経営陣に「学問の自由」を求める闘争が続いた。上山隆大の議論に拠ると、基礎科学と応用科学に二分し、前者の充実が後者を準備し社会に有益だという「神話」の創造が、実用的研究に価値をおく寄付者と教育研究に価値を見ない一般人を説得する力となった。かくして二◯世紀前半に「科学」の一般的イメージが作られたのである。(200)

<参考 S台解答例>
アメリカの大学では設立者の利益に反する主張は許されず、学問の自由は保障されていなかった。こういう社会状況の中、二◯世紀初頭、社会に実利をもたらす応用研究の発展のためには基礎研究の自立性が重要であるという教訓が唱えられ、自然科学研究の自由が実現されていった。しかし、これは自由な研究への資金を獲得したい科学者たちが考え出した神話であり、この神話がわれわれの「科学」に対するイメージを作ることになった。(199)

<参考 K塾解答例>
ヨーロッパの大学では自治や自由が認められていたが、私企業などが設立したアメリカの大学では、特に社会科学の分野で自由が認められてなかった。そこで教員は組合を作って経営陣と闘い、身分が保障される制度を勝ち取った。さらに、自然科学では科学者が基礎科学と応用科学を分け、前者が後者を支え産業に資するという巧妙な言辞を用いて、研究の自由と資金を得た。二◯世紀前半に形成されたこうした科学像は今日でも定着している。(200)

<参考 Yゼミ解答例>
自治の伝統をもつ欧州の大学に比べて、アメリカの大学は設立者である政府や富豪等の支配権が強く、社会科学における学問の自由は二◯世紀初頭まで実現しなかった。これに対し自然科学では学問の自由が早期に実現しており、そこには応用科学の発展には基礎科学の充実こそが重要という、資金提供者を説得するレトリックの存在があった。この主張は実際上の根拠をもたぬ「神話」でありながら、今日の科学のイメージをも形成している。(200)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?