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Pioneer DJのヘッドホン(HDJ-CUE1BT)を使ってみた

Bluetooth機能搭載DJヘッドホン=HDJ-CUE1BT(PioneerDJ)を購入。さっそくDJ時に使用してみた。

一応断っておくと、BluetoothモードでDJはできない。仮にDJ機器とヘッドホンをBluetoothで繋ぐことができたとしても、タイムラグが生じてしまうから現場で使うのは現実的ではない。

有線でDJ用、Bluetooth経由で日常用としても使える、というのがセールスポイント。まあ、二刀流、、ですね。

まず、良いところを言うと、いちばんは「値段が安い」。税込12100円はDJ用としてもBluetooth搭載ヘッドホンとしても「リーズナブル」で魅力的な価格帯と言ってよいと思う。後からも説明するけど、十分に値段以上の機能を備えていると思う。

次に、デザインも悪くない。PioneerDJのヘッドホンはどれも、どこか野暮ったい感じがしてファッション性に乏しい感じがする(個人の感想ね、あくまで)のだけど、HDJ-CUE1BTの全てを削ぎ落としたシンプルなデザインには好感が持てる。無印良品のアイテムのように日常生活の中に自然に溶け込むと思う。おじさん的にはロゴの「DJ」の部分が余分と感じるけど、ま、これはしょうがないよね。ブランド名なんで。

特筆すべきは、イヤーパッドとケーブルをカスタマイズすることができる点。ポップな蛍光カラー5色から選べて、パッドとケーブルセットで3850円。80年代を思い出させるようなラブリーな雰囲気は、ストリートでもブースでも映えると思う。イヤーパッドなんかは使っていると劣化するものなので、購入しておいて損はないかも。まあ自分のようにJAZZをメインにした中高年DJには、あまり関係ない話かもだけど。

さて肝心の音の方だが、これは「値段相応」と言うべきか。DJの現場で使ってみたのだけど、問題なく機能する。オンイヤータイプではあるけれど、遮断性も高い。音量も申し分ない。ただ、やはりちょっと何か「物足りない」感じがするのは否めない。私は長くPioneerDJの2000MK2というモデル(現在は終売)を使用してきたのだけど、出音のクオリティには明らかな差を感じる。現場で聴き比べ(本番中にすみません)してみたけど、逆にMK2の素晴らしさを再認識することになった。

他方、BluetoothでiPhoneと繋いで音楽を聴いてみたら、これは思っていたよりもバランスよく音が出ていて好印象。と言うか、、これまで使ってきたBluetoothヘッドホンの中ではいちばん好みの音かも知れない。余計なことは一切せずにできる限り忠実に原曲を再現する感じ。

これはむしろ普段使い用と割り切ってもいいんじゃないか。

あと、DJ時には気がつかなかったが、ストリートではわりと外の音が聞こえる。実は遮断性はそこまで高くないのか。ブースで「物足りない」と思ったのは、そこが原因だったかも知れない。まあ外歩きには向いているよね。

もしかしたら、制作チームもDJの現場よりも、ストリートや電車の中で使用することに重きを置いて音の設計をしたんじゃないかと想像してしまう。

装着感はどうだろう。これまでMK2を使用してきたPioneerDJユーザーの自分としては、現場では全く違和感なく、頭に置いても、首にかけても、ストレスなくプレイに専念することができた。軽量、と言うほど軽くもないが、私的にはこれ以上軽くする必要もないと思う。

そして、、Bluetoothモードで東京千葉を電車で往復してみたが、日常使いだと、さすがに少し重さを感じた。長時間装着していると耳に痛みが出る。4時間ぐらい付けっぱなしにしていたら、最後の方はけっこう痛みのストレスで音楽に集中できなくなってしまった。

小さなことだけど、付属のケーブルがちょっと安っぽい感じがすることをつけ加えておく。

総評として

「DJブースでも使える日常用のヘッドホン」というのが、HDJ-CUE1BTを使用してみての私のインプレッション。BluetoothヘッドホンとしてもDJ用ヘッドホンとしても合格点はクリアしているものの、特筆するほどの美質は感じられず、多少のストレスはつきまとう。それにしても販売価格12100円でこのクオリティは評価すべきと思うし、カスタマイズというお茶目な「おまけ」もついているのは魅力的。

日常的に外出時にヘッドホンを使っていて、たまにDJするような人(私がそうだ)なら、買っても損はないんじゃないかという気はする。

Bluetoothヘッドホンとして日常使いしつつ、JAZZやラウンジ系のDJする時には、現場でも使ってもいいかな、と思っている。モニタリングに繊細さを求めるダンスミュージックのDJをする時は、もう少しハイスペックな機種を求めるかも知れない。 


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