『今村翔吾の参勤翔待 』レポpart1-サプライズ
ファンミーティングでのサプライズ
2023年4月1日。
今村先生初のファンミーティング『今村翔吾の参勤翔待』が開催された。
クイズ大会に林家けい木さんによる落語、質問コーナーと盛りだくさんで行われたファンミーティングの最後。
今村先生が三曲目を歌い終わり、ステージの袖に去っていく。
だが拍手が鳴りを潜める前に、スタッフCさんがパッと舞台上に出てきた。
そして、会場の前方にいる人には聞こえるぐらい抑えた声で、「アンコール、アンコール」と言いながら手を叩く。
寂しさと名残惜しさから、熱気が少し下がったように思えた会場が、より強い熱を帯びた。
ファンはすぐ一体となった。
歓喜に満ちた声で、全員が「アンコール!」と叫びながら手拍子を取る。
「なんやこれ!聞いてないぞ!」
笑いながらも困惑した表情で、再び姿を現した今村先生。
会場に歓声が満ち溢れる。
ゲストの山田竜平さんもご一緒に登場され、「なんかできる?」と今村先生が即席で何かしてくれようと話されている中、Cさんが再びマイクを取った。
「アンコール…のその前に!
今村先生へサプライズプレゼントがあります!
会長とファン倶楽部北海支部の方々で作成してくれました。
どうぞ桃さんステージへ」
ざわっと大きく会場がどよめく。
隣にいた支部のメンバーが「えぇ!?」と驚いたような視線をこちらに向けた。
…こう描写をしてはみたが、正直記憶がほとんど無い。
Cさんがなんと仰っていたのか。今村先生がどんな表情をされていたのか。会場はどんな反応だったのか。
“北海道支部”の単語が出た時点で、私の身体は硬直したように固まり、脳は現状を処理し切れずに活動をやめたらしい。
ここで私がステージに立つことは、一切聞いていなかった。
そもそもこのサプライズについて、”北海道支部”のことも、”桃”のことも一切出さなくてよいと伝えていたのだ。
それなのに、何故…?
私は今、呼ばれたのか…?
今村先生へのサプライズのつもりが、まさかの自分にとってもサプライズであった。
動揺を隠せないまま周りに促され、会長に手を引っ張って頂き、気付いたら私はステージに立っていた。
そして会長と一緒に、今村先生へサプライズプレゼントを手渡した。
それがこのモザイクアートである。
その後今村先生を中心に、会場全員での記念撮影を行った。
シャッターのタイミングはもちろん、まつり旅ですっかり恒例になったコール&レスポンス。
「今村翔吾のー!」
先生の声に続いて、会場全員がありったけの想いを込めて叫ぶ。
「参勤翔待ーーー!!!」
連続するシャッター音。頭に残る余韻。
こうして初めてのファンミーティングは閉幕となり、続くサイン会へと移行していった。
サプライズの背景
さて。
ここから少し砕けた調子で書かせて頂くが…。
モザイクアートを渡した後、このサプライズについて話を振られたにも関わらず、何の説明も想いも伝えられなかった自分を、まずは思いっきりぶん殴りたい。(←一気に砕け過ぎ)
真面目な話。
この大切なファンミーティングという場で、しかも最後の大トリとも言える大事な場面で、私は微塵も爪痕を残せなかった。
これは、大いなる後悔と反省である。
爪痕、と書くと誤解を生むかもしれないが、決して自分を誇示したかったわけではない。
何よりも伝えなければならない今村先生への想いと、ファンの方々の熱い想い。
これを伝えられなかったのだ。
大失態をおかしたことに、私は今なお後悔をしている。
(少なくともあと数か月は、思い出す度に頭を掻きむしっては布団の中でジタバタしてるであろう…)
申し訳なさでいっぱいではあるが、あの場で伝えたかったことを、こうしてここで伝えさせてください。
単に今村先生にサプライズをしたいだけじゃない。
あの一枚にはそれ以上の意味があるんだと、少しでも知って欲しいのです。
そもそも今回のサプライズは、Twitterでファンミーティングの告知があった数時間後には、頭に企画が出来上がっていた。
まだ参加出来るかもわからない。飛行機のチケットだってもちろんない。
だが何かに突き動かされるように、思いついた事を実現したい気持ちが湧き上がり、私はすぐに行動を開始した。
なにしろ時間はほとんど無い。
最速で動かなくては間に合わないと、数時間で提案書を作成し、すぐに会長へ連絡した。
文のやり取りだけでは時間が掛かるので、オンラインでお話をさせて頂き、会長からのご意見や案を頂いて提案書をブラッシュアップ。
そこからはトントン拍子で、数日後には事務所のスタッフの方々と繋がらせて頂くことができ、また大変有り難い事にこの提案を受け入れて下さることになった。
これだけでももう、光栄過ぎる事である。
実際の提案書がこちら。
時間が無かったので、クオリティの低さには目を瞑って頂きたい。(センスもゼロ)
ただ出来うる限りの想いを凝縮した『目的』の2Pは、初版から一文字も変わっていない。(変えていないとも言える)
“かつて作家の誰もが見たことのない景色”
それをファン全員で創り上げることが、なによりもやりたかったことである。
ファンミーティング自体が既に前人未到のものではあるのだが、更にそれをファンが創り上げるという付加価値を持たせたかったのだ。
それは職業問わず、ただファンミーティングを開催すれば出来ることではない。
今村先生が歩かれてきた道は、多くの人に届いて、今に繋がっている。
それを示すことが、今村先生へ感謝を伝える一番の方法ではないかと思ったのだ。
そしてファンとしての欲を言うならば、今村先生はこんなにもファンから愛されているのだと、世の中に知らしめたかった。
作家が、ファンミーティングを開催してくれるのである。
しかもただのトークイベントではない。
作家自らが歌い、スタッフが踊り、幼馴染の作曲家が演奏するという、とんでもないスペシャルステージまであるのだ。
作品だけではなく、ステージという場所でこんなにファンを楽しませてくれる作家が他にいるだろうか。
今村先生と出逢えたからこそ味わえるこの幸せ。
これをもっと多くの人に知って欲しい。
今村翔吾という1人の作家の生き様を、沢山の人の胸に刻んで欲しい。
その為にもファンを巻き込んだ何かを、この初めてのファンミーティングという場所で残したかった。
だからこそ今回のサプライズは、”ファン全員参加型”であることにこだわらせて頂いた。
ファンミーティングには、参加したくても出来なかったファンの方々が沢山いる。
全国には今村先生の熱いファンがたくさんいることを知っているからこそ、みんなで創り上げた何かにしたかったのだ。
初版時点では単なる案でしかなかったが、提案書をベースに会長とスタッフの方々と何度か打ち合わせをさせて頂き、現実的にどう実現できるかを探っていった。
人数、募集期間、作成時間、保管方法…。
色々考慮した結果、最終的にモザイクアートを作ることに決まった。
そうして事務所公式Twitterにて、皆様から今村先生に関わる写真を募集させて頂くこととなったのだ。
ファンの皆様から集めた写真で、1枚のモザイクアートを作成する。
作るアートは、まだまだ記憶が色褪せないまつり旅ゴール時の、今村先生とスタッフ皆様の集合写真。
この旅こそ、今村先生とファンとの距離をグッと近づけ、より強固な絆で結び付けてくれたと思っている。
また今村先生が今後更なる活躍をされていくための、大きな布石になった旅だと思うのだ。
そしてそこには、スタッフ皆様のお力が絶対に欠かせない。
ファン1人1人の力は一滴の雨粒かもしれないけれど、集まればきっと川となり、大河となり、大きな波を生み出していく。
まつり旅Finalで渦巻いたあの感動こそその証拠だ。
幾重にも生み出された波は海へと広がり、新たな世界へと続いていく。
そのような想いを、モザイクアートという形で表現させて頂いた。
何を大層な事をと思われるかもしれないし、実際にものすごい大作を作ったわけではない。
ただのファンが、素人なりに模索しながら必死に考え、多くの方々のお力を借りてどうにか形になっただけに過ぎない。
だが確実に言えることは、このサプライズプレゼントは会長と北海道支部だけで創り上げたものではない。
ファン全員で創り上げた、今村先生へのプレゼントなのだ。
そう。もしこれを読んでいらっしゃるファンの方がいるとしたら、あなたが今村先生へプレゼントをしたのだ。
ただ本当に申し訳ないことに、会場にいらっしゃった方々には「自分も参加した!」「この絵の一枚に自分がいる!」という意識を持って頂くことが出来なかったのではないかと思う。
それは全て私の説明不足であり、ステージ上での不甲斐なさが原因である。(心より謝罪致します…。。)
あの写真は、ファンの想いによって出来ている。
サプライズはファン全員で創り上げたものなのだと、声を大にして伝えたい。
そして今村先生には、これだけの熱いファンが全国にいるんだと改めて知って頂きたい。
先生は「世界一幸せな作家」と仰ってくれたが、それはこちらの台詞である。
私達こそ「世界一幸せな読者」だ。
作家はどうしても孤独になりがちで、時には孤独にならないといけない職業であるのかもしれない。
でも、どんな時も決して一人ではないと伝えたい。
「たった1人で始まった」というこの道が、今ではこれだけ多くの人々へ続いているのだ。
会場にはファンだけではなく、出版社の方々も多くご参加されていた。
今村翔吾はこれだけ多くの人に支えられ、また愛されている。
それは作家としての実力があるからだけではない。
今村先生というお人柄にみんなが惹かれ、ついていきたいと思わせたからに他ならない。
それだけの魅力が、今村先生にはあるのだ。
辛い時や苦しい時、どうしようもなく孤独を感じる時は、このモザイクアートを見て欲しい。
勝手かもしれないし、そこまで大それたものではないかもしれないけれど…。
それだけの願いを、この一枚に込めている。
改めて…いや、何度だって伝えたい。
今村先生。
今を生きてくれて、ありがとうございます。
きっと今村先生は、生きている限り書き続けてくれる。
書き続けてくれる限り、本や子ども達の夢や未来を語ってくれる。
だからファンにとって、今村先生が元気に生き続けていてくれること。
ただ、それだけでいいんです。
…もしかしたら、一番難しい事を言っているのかもしれないけれど。
なんてたって今村先生だから。
やりたい事があれば、“道なき道を”喜んで突き進んでいくだろう。
面白そうなことがあれば、すぐに楽しく踊り始めてしまうだろう。
ファンがどれだけ身体の事を心配しているのか、少しはわかって欲しいぐらいだが…。
少年っぽさを失わない今村先生を、ファンは大好きなのもまた事実。
それにファンも今村先生と同じ。
まつりがあったら一緒に踊ってはしゃぎだす。
先生が世界へ行くなら共に行く。
先生に似て、熱くて阿保なファンが集まっていますから。
これからもずっと、共に踊らせてください。
サプライズの背景と懺悔はこの辺で。
最後に皆様への感謝を。
私は会長のように、今村先生との長い歴史や深い絆も無ければ、読書家や歴史好きの方々のように、本や歴史的知識が豊富なわけでは無い。
本屋さんで働いたことも無ければ、出版業界に関わる仕事をしているわけでも無い。
ただ、今村先生が好き、それだけしか能が無い。(つまりほぼスキルゼロ)
好きこそ物の上手なれ。恋は盲目。
と言うのでしょうかね。…いや、違いますね笑
強いてあげれば、アビリティ『じょうねつ』『いつもぜんりょく』『いちずなおもい』を装備して、『すっぴん』が最強ジョブになったようなものでしょうか。(よくわからない例え)
とにかく、今回のサプライズも然り、北海道支部の活動も然り。ただ好きな事を好きなようにやっているだけ。
(もちろんただ自由に好き勝手やるわけではなく、ご迷惑はお掛けしないよう、これでも相当に足りない頭をフル回転させて活動しておりますが)
長々と言い訳がましく書いておりますが、要は突然出てきたおまえは誰ぞ、と思われた方が多いと思います。
それはその通り。
そんなちっぽけな存在なんです。
それにも関わらず、舞台に呼んで頂いた事。
未だに信じられない想いです。
私にとっては、奇跡の日でした。
サプライズに賛同して頂き、案や手段を一緒に考えて下さったファン倶楽部会長。お忙しい中力を貸してくださったスタッフの皆様。
唐突な提案に対してお力添え頂き、実現頂いたこと、本当にありがとうございました。
(そして、何も話すことが出来ずに大変申し訳ございませんでした…)
大変長くなりましたが、伝えたいことを伝えられたのか、不安でいっぱいです。
何度も読み返しては直しましたが、公開後もきっと何度か読み返して、ちょこちょこ直していることでしょう笑
改めまして、今村先生、スタッフの皆様、ファンの皆様に、心よりの感謝を。
一枚に込められた想いに、少しでも触れて頂けたら幸いです。
了
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