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Hand-holding at college

今の大学で教える前に学生数が当時3万人位いる大学で教えていました。そこでは初級を教えていたのですが、学生数も多かったので、ついてこられない学生は「仕方ない」と切り捨てていました。ついてこられない学生というのは、宿題をきちんと提出しない学生やクイズやテスト勉強をしてこない学生です。

初級の学生は特に宿題が多かったので宿題がきちんと出ていないと遅れをとるし、クイズもひらがなとカタカナをきちんと勉強してこないとすぐに遅れをとります。

前の大学ではこういったことができない学生は向こうから連絡してこない限り、私からあまり連絡してしっかりやっているか、大丈夫か個々に確認することはあまりありませんでした。大学と言う場所で自分から学べない、学ぶ努力をしない学生は、上のクラスに行ってもついていけないからという思いでやっていたのですが。それでも、その大学では4年目の日本語のクラスもあり数ある外国語の中でスペイン語よりも日本語専攻の学生が多かったです。

そして今の大学ですが…

まず学生数が上の大学の1/4の規模です。日本語初級のクラスを取る学生数も全然違います。前の大学の様にしていたら、次のクラスに上がる学生数も少ないです。少なすぎてクラスがなくなってしまうかもしれません。そしてクラスがなくなると私のお給料やポジションに影響がでるので、死活問題です。

前置きが長くなりましたが、じゃあ、今の大学ではどうしているかと言うと…危険な落ちこぼれそうな芽を摘んでします。一生懸命に。そしてこの状態をHand-holdingと言います。手を握って注意を払ってしっかり道を案内する様に学生を導いてあげるのです。

宿題提出:しつこくクラスでリマインダーします。LMSでも連絡します。なんならクラスの時間に宿題をやり始めます。最初1回2回は宿題を提出しなかった学生には個別に連絡して、状況確認した上でLate Submissionを受け入れます。
クイズ:クラスでしつこく確認します。練習もします。どんなクイズかも詳細に教えます。Quizletのフラッシュカードを作って学生に共有しています。
出席:連絡がない欠席が2回続くとメールします。状況を確認して、クラスに遅れが出ないようにします。
こうやっても成績や出席が危ない場合は、状況確認をメールでしたり、クラスの前や後に捕まえて話したりします。(私の同僚は学生に直接電話したこともあるそうです)それでも反応(改善)がない場合は大学のシステムを使ってアドバイザーに連絡します。まあ、この時点になるともう既に手遅れな学生が多いのですが…

ここまで手を差し伸べて、「握って」あげなければいけないんです。私が学生だった時には考えられない手厚い扱いをしています。

それでも落ちていく学生は毎年います。その数を少なくする為に手を握っているのです。しかも手を握らなければならない学生は毎年増えています。手を握ってあげている先生は私だけではありません。私の学科内の他の先生からも同じようなことしているを聞いています。大学側も成績不振で学生を失う数が多い事に気が付いているので、なんなら大学側もHand-holdingを推奨もしています。これって大学なんでしょうか。手取り足取り教えないといけないのでしょうか。今後この大学はどうなるのでしょうか。

私はいったいどこまで手を握ればいいのでしょうか。

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