【詩】ごっこ遊び

僕たちは子どもの頃
街角でごっこ遊びをしていた
ヒーローも探偵も魔法使いも、
すべて僕らの中にあった
笑い声が空に溶けて、
影が伸びるそのたびに
僕たちは誰にもなれると思っていた

大人になった今も
その遊びは終わらない
違う役を演じ違う自分を作っては
真実から目を逸らし続けている
日々の喧騒に流され
僕らは大人のふりをしながら
幼い夢の残骸を拾い集める

黄昏の光が薄れていく頃
僕たちは黙って立ち尽くす
あの頃の笑顔は、もう戻らない

そして、記憶の君は笑って言った

馬鹿やってないで帰ろうね