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研究課題(リサーチクエスチョン)の策定

リサーチクエスチョンの策定は、エビデンス統合プロセスにおいて最も重要なステップの一つです。

この段階では、あなたとあなたのチームは、あなたの関心があるトピックにおける知識のギャップを特定し、特定の質問に答えることを目指しています。

  • Xを処方すれば、患者にYが起こるのか?

あるいは介入を評価する

  • XはYにどう影響するか?

あるいは、既存のエビデンスを統合する

  • Xの本質は何か?

目的が何であれ、エビデンス統合を成功させるには、適切なスコープで明確に定義されたリサーチクエスチョンを策定することが鍵となります。
リサーチクエスチョンの策定は、必ずしも一筋縄には行きません。
ここの作業が難しい場合、(例えば)リサーチクエスチョンに関連する文献をさらに探してみましょう。見つけた文献を参考に、課題を絞り込んで具体的にしましょう。

リサーチクエスチョンがあなたのエビデンス統合の基礎となり、そこから研究チームは2~5つの検索コンセプトの候補を特定します。これらの検索コンセプトは、後のステップ5で検索戦略を構築するために使用されます。

Research Question Frameworks

リサーチクエスチョンの策定には時間がかかり、適切なリサーチクエスチョンに落ち着くまで、チームはさまざまなバージョンを検討するかもしれません。
リサーチクエスチョンの策定に役立つよう、リサーチクエスチョンフレームワークをいくつか以下に挙げます(これらのフレームワークには何十種類もあり、包括的な概要については、メリーランド大学のガイドを参照してください)。以前こちらのページにもメモしています。
フレームワークは、家や建物と同じようなものです。フレームワークは、構造の残りの部分を支え、足場となるためにあります。同様に、リサーチクエスチョンのフレームワークも、エビデンス統合の質問を構造化するのに役立ちます。 おそらく最も一般的なフレームワークは、PICOです。

PICO for Quantitative Studies

  • P Population/Problem

  • I Intervention/Exposure

  • C Comparison

  • O Outcome

例:切断手術を受け幻肢痛を訴える中年男性 (population)に gabapentin (intervention)を使用することはプラセボ (comparison)と比較して、疼痛症状 (outcome)の減少に有効か?

Source: cochrane handbookの第5章に、PICOの各要素の定義に関する詳細が記載されています。

PICo for Qualitative Studies

  • P Population/Problem

  • I Phenomenon of Interest

  • Co Context

例: オーストラリア(Context)でアルツハイマー病患者(Population)に在宅看護を提供する介護者の経験(Phenomenon of Interest)はどのようなものか。

SPICE

  • S Setting

  • P Perspective (for whom)

  • I Intervention/Exposure

  • C Comparison

  • E Evaluation

先進国(Setting)における低所得の母親(Perspective)に対するDoula(Intervention)のベネフィット(Evaluation)は、サポートなしの場合(Comparison)と比べてどのようなものか。

Source: Booth, A. (2006). Clear and present questions: Formulating questions for evidence based practice. Library Hi Tech, 24(3), 355-368. https://doi.org/10.1108/07378830610692127

Question Frameworks: SPICEについて

SPIDER

  • S Sample

  • PI Phenomenon of Interest

  • D Design

  • E Evaluation

  • R Study Type

例:体外受精治療(Phenomenon of interest)を受ける女性(Sample)の経験(Evaluation)はどのようなものか。
Design: questionnaire or survey or interview
Study Type: qualitative or mixed method

Source: Cooke, A., Smith, D., & Booth, A. (2012). Beyond PICO: The SPIDER tool for qualitative evidence synthesis. Qualitative Health Research, 22(10), 1435-1443. https://doi.org/10.1177/1049732312452938


参考・引用文献

  1. Systematic Review and Evidence Synthesis. University of Minnesota Libraries. https://libguides.umn.edu/c.php?g=1264119&p=9278660

  2. A Guide to Evidence Synthesis. Cornell University Library. https://guides.library.cornell.edu/evidence-synthesis

  3. Systematic Reviews for Health Sciences and Medicine. University of Melbourne Library. https://unimelb.libguides.com/sysrev/research-question


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