網羅性を考慮した文献検索tips:PubMed Proximity Search使ってみたその2
別件で近接演算子を試してみたので,ここに再びメモ
ヒットした結果を見るとなんでこれが?と思うものもあったりするので実際に依頼された検索で使うかは今のところ未定です
オーソドックスに癌関連のキーワードを例にします
"breast cancer"で使ってみると,それほど近接演算子が有効と思われる例がなかったので(だいたいの文献はフレーズで"breast cancer"と記載されていたので"breast cancer"でフレーズ検索した結果とそう変わらず,さらになぜコレが?という文献が入ってきていました),"breast carcinoma"で検索した結果から
#例にあげておいて何ですが"breast cancer"関連はあまりよい例ではなかったかもしれません
Proximity Search指定した結果,拾えた文献には例えば以下のようなものがありました。
これは近接演算子を使っていなければ,("breast carcinoma"の固まりにはなっていないのでフレーズ検索では)落ちてしまう文献です
Oncology letters.は現在はMEDLINE未索引誌のためMeSHは付与されません。(この文献はPMC由来でPubMedに入っているようです)
breast invasive ductal carcinomaは"Carcinoma, Ductal, Breast"としてMeSHにありますが,上述の通りMeSHは付与されないため breast cancerで検索し(breast cancerからBreast Neoplasmsにマッピングされても)たとしても漏れてしまいます。
今回は~2で指定したのですが,"breast" と"carcinoma"の間にはinvasiveと ductalが含まれていました。このようにフレーズ指定した単語の間に指定したN個までのほかの単語を挟んでいても検索結果に含めてきてくれるのが近接演算子の機能です。
SRの検索のように網羅性を考慮するような検索では特に重要な機能となりますが,これまでのPubMedにはなかった機能で,それもあり海外のSRを見ると近接演算子が使えるMEDLINE via Ovid(そのほかにもより柔軟なトランケーション機能があったり他にも違いがありますが)がMEDLINE(PubMed)とのタイムラグを考慮しても尚優先して使われているように思います。
しかしPubMedにこの機能が付いたことは図書館員やSRをなさる研究者にとっては大きな前進かと思います。