余計なものを取り除く
今年の富士登山の際に、
初めて富士急行に乗車した。
これまで、何度となく富士吉田周辺に
行ったことがあったが、全て車ないしは
バスでの訪問だったことに今回初めて
気付いたような次第。
大月駅で、JR中央本線から乗り換え、
単線の富士急行に乗り込み、
一路富士山駅(旧・富士吉田駅)を
目指した。
到着の少し手前で見えて来た、
雪の全く積もっていない富士山を
見つけて、思わず車内からパチリ。
見てお分かりの通り、
車内からだとまずドアが邪魔。
電線も邪魔。
電信柱も邪魔。
これらの邪魔な存在がなければ、
美しい稜線の富士山がそびえ立つ
様子を写真に収めることができた
ことは容易に想像がつく。
これと同じことを、普段自分自身が
やっていないだろうか
会社の仕事机の上には、
パソコンとモニターが鎮座している
のだが、それ以外にも、様々なモノ
たちが所狭しと並んでいる。
ノートを広げてメモを取ることが
多いので、当然机の上は広いに
こしたことはない。
にもかかわらず、ノートを広げるのに
十分な広さが確保されているかと
言われれば、自信を持ってYESとは
言いにくい状況である。
在宅勤務をする際に使う、自宅の
机の上に関しても、五十歩百歩と
いうのが残念ながら現実だ。
仕事に関係のないものは、できる
限り机の上から排除しようと
一度は決めたものの、いつしかその
決意は揺らぎ、気付いたら様々な
モノが机上に溢れる始末。
人によっては、片付いていない方が
仕事がはかどるという場合もある。
殊に、クリエイティブな仕事をする
方々は、乱雑な環境を好む人が割と
多い気がする。
なので、必ずしも整理整頓すべきだ
という価値観を押し付けたいという
ことではない。
しかしながら、机上がゴチャゴチャ
乱雑に散らかっていると、
知らずしらずのうちにその乱雑さが
自分の心に悪影響を与えているのが
ほぼ間違いないように感じられる
のである。
パソコンやスマホで、同時に沢山の
アプリを開いていると、動きが遅く
なるのは周知の事実。
同時並行で様々なタスクを処理する
よりも、シングルタスクに専念する
べく、余計なアプリはオフにして
おく方が効率アップにつながる。
それと同様に、自分の脳の中に
同時多発的に「アプリ」を開いて
しまうよりも、それらは極力オフに
して、今取り組んでいるタスクに
集中する方が良いのであろう。
美しい富士山を見たかったら、
ドアも、電線も、電信柱も、
自分の視野を邪魔しないように
取り除く必要がある。
たまたま車内から撮影した
富士山の写真を見返しながら、
そんなことを考えたのだった。