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マーケティングの基礎、あるいは型

基礎があってこそ、応用が生きる。

「守・破・離」のことはご存知の方も
多いだろう。
日本における芸事の文化で、
まずは師匠の型をしっかり守り、
それによって基礎を身に付け、
基礎が完全なものになってから、
それをよりよくするために様々な
ものを試す「破」の段階へと至り、
やがて自分なりの型を確立する「離」
へと至るプロセスを示したものだ。

何はなくとも、
まずは基礎、あるいは型をきっちり
身に付けることが飛躍のカギになる、
そんなことがもう数百年、千年単位
の昔から語り継がれてきたのである。

当然、マーケティングの世界でも、
基礎、あるいは型が重要であること
は疑いない。
思い返せば、私も最初の数年間に、
基礎・型を鍛える機会を得たことが、
その後の成長を支えてくれたと
言える。

基礎・型を鍛える機会というのは、
具体的には
①恩師の存在
②日本マーケティング協会の講座
③コトラー『マーケティング入門』
以上の3つ。
これらが、その後のマーケター
人生に重要なインパクトを与えて
くれたと思うのだ。

今日は①をちょっと振り返ってみる。

そもそも、私は新卒で入った会社で
当初はマーケターのキャリアを歩んで
いたわけではない。
たまたまプロジェクトチームが解散
したタイミングで、マーケティング部
の新規事業開発部門にいらした方に
拾われたのだった。

私を拾ってくれた上司は、
アメリカン・エクスプレスのご出身。
非常に意欲的な方で、突拍子もない
アイデアを突然試したい!
と言い出すので思いつきかと思ったら、
ちゃんと過去に実績あるものだったり、
逆に何年もかけて非常によく練り
込まれたアイデアを実現するのに
一緒に議論させてもらったりと、
マーケティングの面白さ、
幅の広さを見せてもらえた。

アメックスはマーケティング巧者として
有名な企業。
ダイレクトメール(DM)で会員を募集
することが多く、そのDMのリターン率
をいかに高めるかに腐心していた話を
よく伺った。
DMは、中身も見ずに捨てられることが
多いので、まずは開けてもらうことが
とても重要。
とても単純だが、安いボールペンを中に
入れ、封筒の中に「何かが入っている」
ことを分かるようにすると、
開封率が跳ね上がるのだという。

そんなエピソードの類を沢山伺い、
マーケティングってなんだか楽しいな、
そう思いながら1年を過ごした。

2年目に突入するタイミングで、
上司の上司だったオーストラリア人から
マーケティングの本流の方に部内異動を
勧められ、洗剤等を担当することに。

そこで付いた次の上司は、カビキラーで
有名なジョンソンにいらした方。
ジョンソン社は、日本にマーケティング
の考え方を早くから持ち込んで成功した
会社のうちの一つ。
そこで、営業からマーケティングに
抜擢され、みっちり仕込まれた方が
私の上司になったことは本当にラッキー
だった。
オーソドックスなマーケティングの
考え方、基礎、基本をきっちりと
教えてくださり、今でも大変に感謝
している。

アフター5に有志を集めて、MBAの
ケースを勉強する会を催し、
ハーバードでも使われているという
ケースをネタにディスカッションした
のが懐かしく思い出される。

上司、恩師に恵まれて、
「守破離」の「守」の段階を過ごす
ことが出来た、改めてその事実に
感謝の気持ちが湧いてくる。

5年後、10年後に、そんな気持ちに
なってもらえるような伝え方が
出来るように、気合を入れて実施
する勉強会。
4月14日開講に向けて参加者を
募集中、下記を参照されたい。

明日は、今日の続きで②の話を
書く予定。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。