「自虐」は最強
プロのお笑いの世界に限らず、
「自虐」ネタはかなり確度高く
笑いを取れます。
自分をディスる分には、
他人を傷つけることがありません。
これを言うと誰かが傷つくかなぁ?!
などと心配しながら発言するよりも、
自由気ままに言いたいことを言えた方が
いいに決まっていますよね。
更に言うと、「自虐」ネタをかませる
人はモテます。
「自虐」できるということは、
自分に自信があることの裏返し。
実は自分がデキることを、オブラートに
包んで表現することだと言えなくもない
わけです。
そんな最強ツールである「自虐」を
活用して、大々的なプロモーションを
つい最近実施した会社/ブランドが
あります。
それが、「Skittles」という
チューイングキャンディのブランド。
実は過去に2回、日本への参入を試みたと
言います。
しかし、2回ともあえなく敗退を余儀なく
されていたとの由。
グローバル、特に欧米においては、
売上もファンの数も非常に多いブランドで、
子供の頃はこれを食べて育った!という
人も少なくないのですが、なぜか日本では
過去ことごとく上手くいかなかった様子。
次に失敗したら、もう本当に後がない!
そんな状況だったのでしょう。
そのような客観的状況を逆手に取り、
過去の失敗を笑い飛ばす勢いで、
「自虐」的な説明内容の広告を
展開したのです。
「おいしい不用品」とは、
随分と思い切ったキャッチコピー
だと思いませんか?
このコピーの意図としては、
「スキットルズ」が決して栄養素が高くはない
ことを認識しつつ、消費者がお菓子に本来感じて
いた「ただおいしい」「選ぶのが楽しい」と
いったキャンディの「価値」を改めて伝える
ことに挑戦したということです。
お客様の実際の声、しかもネガティブな
それを沢山集めまくり、中から選りすぐりの
内容をキャッチコピーに採用しました。
しかもそれだけでなく、「権威」の使い方
まで逆方向に振っています。
お菓子をディスる方向でこそ、
その「権威」が威力を発揮する歯科医師
などに、率直にコメントをさせるという
思い切りようなのです。
ここまで踏み込んだ広告展開の威力は、
少なくとも初速の好調に表れていた様子。
とはいえ、日々新しいお菓子が世の中に
出ては消える、激戦の日本市場。
今後も好調を維持できるのかどうか、
しばらく様子を見守りたいと思います。