P&G出身マーケターの活躍が止まらない
3月20日の日経新聞で、
「P&G流はビール2強をどう変えたのか」
との記事が出ていた。
アサヒビールの新社長・松山氏。
キリンビールの新副社長・山形氏。
いずれもP&Gのマーケティング部門
出身ということで、その活躍を
追った記事だ。
P&G出身のマーケターが、様々な
企業で活躍をされているのは
今に始まったことでない。
メディアで取り上げられることも
増えて来ているので、ご存知の方も
多いかもしれないが、思いつくだけ
ざっと挙げてみると、、、
マクドナルドCMOとして活躍、
Pokemon GO!のナイアンテックを
経て、現在はファミリーマートの
CMOを務める足立光氏。
USJを見事に立て直し、その後
世界初のマーケティングノウハウの
ライセンシングカンパニーを標榜
する「刀」を創業した森岡毅氏。
ロート製薬で役員、ロクシタン
ジャポンで社長を務めた後、
スマートニュースを経て独立を
果たした西口一希氏。
コカ・コーラとして、世界でも初の
アルコール飲料となる「檸檬堂」の
開発をリード、CMOを務めている
和佐高志氏。
他にも数え上げたらきりがない。
以前は、なんだかんだ外資系に
偏っている印象があった。
しかし、実際には外資だけでなく、
国内資本も含めて、非常に多くの
企業に元P&Gが散らばっていて、
裾野が広がっていることを感じる。
彼らの強みは、やはり「型」を
持っていること。
P&Gという常勝集団が、
社内で磨きに磨き上げた体系的な
知識・ノウハウを、手慣れた道具
として身に付けているのは、
何と言っても強みの源泉だろう。
そして、その「型」の最も根幹を
成すもの、それが「顧客起点」、
「顧客視点」といった言葉で表現
される「顧客」に対する深い理解
である。
とにかく、徹底的に消費者を理解
することから始めるということ
こそが、P&G流マーケティングの
強みであるとの由。
彼らP&G出身者が、様々な企業で
業績を上げ続けることができる
源泉がそこにあるのならば、
他の者も真似れば良さそうなもの。
しかし、ことはそう単純ではない。
あくまでも、消費者理解は入口に
過ぎず、その先に広がる体系的な
ノウハウ、仕組みを使いこなせる
かどうかが重要だ。
更には、たとえマーケティングを
体系的に体得していたとしても、
人として「徳」を備えていないと
思しきケースでは、そう簡単には
成功を手に入れることはできない。
P&G出身者は、あまりにも自身が
優秀過ぎるゆえ、他者理解という
点で課題を抱える人も少なくない
印象がある。
あまりにも多くの出身者が活躍を
しているがゆえに、ついつい妙に
怖気づいたりしてしまいがち。
だが、彼らにだって強みもあれば
弱みもあるのだ。
そしてそれは、自分についても
全く同じことがあてはまる。
変にレッテル貼りをしない。
自分の強みを見据えて、そこを
しっかりと伸ばす努力をする。
そして、弱みの部分が、自分の
足を引っ張らないように心がける。
改めて、基本中の基本に立ち戻る。
初心、忘るべからず。
以上を箇条書きにすると、
・消費者の徹底的な理解を基礎とする
・体系的なノウハウを使いこなす
・「徳」のある行動をとる
・自らの強みを活かす
・弱みが足を引っ張らないようにする
となる。
これらの基本的かつ大切な事柄を、
いかに徹底して貫けるかが重要だ。