ラーメン屋集客案を一人ブレストしてみる
いつの間にか時計は12時半。
次のミーティングまであと30分
しかない。
今を逃すと、16時まで食べ物に
ありつく時間はなさそうだ。
よし、今日はコンビニ飯で済まそう。
財布を持ってそそくさと外へ。
歩いて1分足らずのコンビニへ向かう。
数軒手前にあるラーメン屋の店内に
チラッと目をやった。
思わず目を疑うことに、なんと客が
たった1人しかいないではないか。
これなら時間内に食べられるという
ことで方針変更。
ラーメン屋に吸い込まれた私は、
12時50分には会社に戻れた。
コンビニ飯を回避できただけでなく、
お気に入りのラーメンを堪能して
すっかり満足。
それにしても、コロナの影響は甚大だ
ということを、度々思い知る。
今日訪れたのは、「麺や維新」。
ミシュランのビブグルマンに掲載
された名店であり、昼時はほぼ
満員で列が途切れない。
私が行く時はいつも混雑時を避けて
お邪魔する。
そんなお店でも、ランチタイムの
ど真ん中で閑古鳥状態なのだ。
ビブグルマンに載ったお店という
ことで、海外からの旅行客と思しき
お客様を度々店先で見かけていた。
そんな旅行客はもはや影も形もない。
立地的にも、目黒はそれなりに
ビジネスパーソンがいて、平日の
昼間はランチ需要が旺盛だ。
それも、在宅勤務推進の流れで
そもそも目黒に出勤してきていない
人たちが増えているのだろう。
それは通勤電車のガラガラ具合から
推して知ることができる。
こういう状況下で、もし自分が
「麺や維新」の店主だったら、
何か打開策はあるのだろうか?
思考実験をしてみる。
想定されるお客様には、
新客とリピート客とがある。
外国人旅行客は新客増加にかなり
貢献していたはずだが、今やほぼ
期待できない。
外食を控える時流の中、新客を
一生懸命に取り込もうとすること
には相当な無理がある、
と言わざるを得ない。
となると、狙うはやはりリピート客の
方になる。
この店は普段、例えばスタンプカード
とか、次回来店時に使えるクーポン
などのような、リピート客向けの
施策は打っていない。
普段打っていないだけに、こういう
時に試しにやってみると、効果は
高い可能性がある。
但し、値引きやおまけに釣られる
お客様が増えるのは、店舗のブランド
力を削ぐ要因にもなるので、慎重さが
求められる点は要注意だ。
常連さんに声を掛けまくって助けを
求める、ということも考えられる。
しかしながら、スタンプカードすら
ない店が常連さんの連絡先を押さえて
いるとも思えず、来るたびに一人
ひとり潰していく作戦では時間が
かかりすぎて実効性が伴わない
だろう。
FacebookやInstagram、Twitter
などを使って、自ら情報発信を行う
ということも考えられる。
しかし、情報発信というのは、
危機になって急にやり始めたところ
で、ほぼ効果は見込めない。
地道に、コツコツと、長い目で、
継続的に蓄積していってナンボの世界。
一発逆転は望み薄だろう。
いっそのこと、店を閉めてしまい、
新しいメニュー開発に余剰時間を
投資する、というのもありかも
しれない。
勿論、資金に余裕があればの話で
あり、なかなか現実的とは言い難い。
とはいえ、すぐにでも情報発信を
始め、メニュー開発のためにしばらく
休業することを周知し、
「至高の一杯を携えて戻ってくる!」
なんて宣言をしてしまう。
その上で、「100日後に死ぬワニ」
のごとくに日々カウントダウンを
行いながら、ラーメンフリークが
興味を引くような情報発信を続けて
いけば、再開時にかなりの注目を
集めることができるのではないか。
などと一人ブレストをしてみた。
美味しいものを供してくれる、
愛すべきステキなお店たちが、
一店でも多くこの苦境を乗り切る
ことができるよう、応援したい。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。