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超一流クリエイティブディレクターが指摘した世の中の空気
昨日の記事で、CM総研の
『Brand of the Year』のことを
取り上げました。
その発表会において、同社代表の
関根氏と対談をされていたのが、
株式会社catchの福部明浩氏です。
既に10年以上前に、大手広告代理店の
博報堂から独立され、着実に名声を広げて
こられた「超一流」のクリエイティブ
ディレクターと言ってよいでしょう。
上記のサイトに紹介されている
「最近の受賞歴」が、2018年で止まって
しまっていますが、恐らくは忙しすぎて
更新するヒマがないのだろうと思える程
あちこち引っ張りだこのようです。
今年Top10入りしていたCMのうち、
4位のキリンビール「晴れ風」を
担当していたほか、上位1000作品の中で
5企業/10商品/25CM作品に携わったと
いうのですから、超人的な仕事の量と質
だと言ってよいのではないでしょうか。
CM総研がCM作品とは別に発表した
「CMヒットメーカーランキング」の
クリエイティブディレクター部門で、
福部さんがぶっちぎりの1位を獲得して
いたことからも、その人気と実力が
窺えます。
その福部さんが、対談の中において、
今の世の中の状況について興味深い
ことを指摘されていました。
「おもしろい」の範囲が狭まっている
「自虐」以外、安心して笑えない時代になってしまった
色々な「禁忌」事項が増えすぎて、
お互いに「忖度」しまくりな社会情勢と
なってしまったことを憂えているような
ニュアンスだったと理解しています。
これは、正にその通りだなと、
非常に共感したのですよね。
コロナ禍というのは特殊事情だった
とはいえ、あまりにも言いたいことが
言えない、言いにくい、言うことが
憚られる、そんな時代の空気感が
メディアに蔓延していたと言えるの
ではないでしょうか。
そんな空気感は、TVCMの世界にも
大きく影を落としていたことを告白
されていたのだと思います。
資本の論理で動くメディアは、
自分たちの都合の良い話は積極的に
放映しますが、逆に都合の悪い話は
無視したり、むしろその旗色が悪くなる
ように反対のプロパガンダを流すことを
平気でやるというのもまた事実。
何かあると、すぐに攻撃的になる
メディアに付け入られる隙を作らない
ために、結局「自虐」という誰をも
傷付けない砦に逃げ込むしかないと
したら、世の中あまりに息苦しいと
言えるのではないでしょうか。
「自虐」はウケを取るには鉄板ですが、
それをやる本人に、自らを信じる強い
気持ち、覚悟が求められます。
「自虐」をヘビーローテーションしても
全くへこたれない、自らに対する絶対的
自信を身に付けたいと強く感じつつ、
世の中がもう少し寛容な方向へ
舵を切ってくれるといいなぁ、
福部さんの言葉からそんなことを
思いました。
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