2024年 世界の消費者トレンド その3 「サステナブル懐疑」
ユーロモニター社が発表した、
「2024年 世界の消費者トレンド」
6つを順に取り上げて、少しばかり
その内容について議論している。
前回は「その2」だったので、
今回は「その3」として、
「サステナブル懐疑 (Greenwashed Out)」
を取り上げたい。
まずは、同社の日本語記事引用から。
元の英語にある「Greenwash」という
言葉は、私がまだこのnote駆け出しの
頃に一度取り上げたことがある。
「Green/グリーン」や、
「SDG's/持続可能な開発目標」
といった耳に心地よく響く言葉を弄して、
良いことをやっているように見せかけ、
実際は中身が伴っていない。
そういう態度を、消費者は敏感に見分ける
力を持っているのだ。
バレてないだろう、などと甘く見ていれば、
足元をすくわれるに違いないのである。
今年の段階でも、既にそのような認識の
甘さを持つ政府・企業は痛い目を見始めて
いるはずだが、来年以降はその傾向がより
顕著になることだろう。
既に一部の国、EUや韓国といったところが、
環境関連の表現に関する規制強化に動いて
いると指摘されている。
この「サステナブル懐疑」を乗り越える
べく努力している企業の例として、
フランスのファッションブランドである
Chloé(クロエ)が紹介されていた。
2023年S/S(春/夏)コレクションにおいて、
デジタルIDを導入、QRコードで商品に
埋め込み、
1.真正性の担保
2.トレーサビリティの確保
3.お手入れと修理の簡易化
(中古品を直接再販可能なプログラムへの
リンクを含む)
を実現したとのこと。
パッと聞いただけだと、この程度のことは
他のブランドでもやっているところが
ありそうだと感じなくもないが、
こちらのページにあるようにChloéは
サステナビリティへの取り組みをかなり
真剣に全うしようとしていることが
伝わってくる。
もう一つ紹介されているのが、
このChloéのような企業をサポートする
側の企業の例だ。
イギリスに本拠を置くProvenanceという
企業で、グリーンウォッシュに対抗する
べく、サステナビリティに関わる主張の
根拠、妥当性を評価・検証している。
このような認証機関のサポートを得て、
消費者が容易に「懐疑」を解消できれば、
不公平、不公正な主張が通らない、
通りにくい、そんな社会へと変える
責任の一端を我々も果たすことができる
ようになるのだ。
「情報の洪水」状態にある現代社会で、
正しい情報を見極めるのは本当に難しい。
だからこそ、消費者に寄り添う、良心的な
情報源を、より多くの政府や企業が提供
することを期待したいところである。