遊休資産を活用する
結婚式場大手のノバレーゼが、
式場の稼働が少ない平日に、
婚礼施設をインバウンド向けの
レストランとして活用するとの
ニュースが日経MJに出ていました。
ノバレーゼは、
「旧桜宮公会堂」
「ジェームス邸」
などの非常に味わい深くて素敵な
歴史的建造物を活用した式場を
展開しています。
挙式は当然ながら土日祝日に
埋まりやすく、平日は比較的
余裕がある状況になるのが常。
そこで、折角の施設が「遊休」の
状態にある平日を、有効活用する
アイデアが出て来たのですね。
インバウンド向けであれば、
土日祝か平日かは無視することが
可能でしょう。
日本にしかない、
味わいのある施設で、
思い出深い食事体験を楽しめる
この企画、なかなかワクワクする
話ではないでしょうか。
この遊休資産活用というのは、
かなり色々なところで既に
実践されている考え方です。
夜の間のみ営業するレストランは、
昼の時間帯は設備が「遊休」と
なるので、「居抜き」で貸し出す
ようなケースもチラホラ耳にする
ことがありました。
ホテルや飛行機の運賃など、
日付や時間帯によって価格を変動
させる、いわゆるダイナミック
プライシングの考え方も、
「遊休」させるくらいなら、
安い値段でいいから稼働させた方が
より稼ぎが増えるという意味で、
発想が似ていると言えそうです。
カラオケボックスなども、
平日の昼間は人が少ないので
低額で長居できるプランを
提供し、部屋が「遊休」せずに
できるだけ稼働するように調整
していますよね。
ひるがえって、自分の会社が持つ
設備などの「資産」が、稼働せずに
「遊休」状態になっていないか、
定期的に見直してみることは
案外重要ではないでしょうか。
その時間、その場所で、その設備を
求めている「予期せぬ顧客」がいる
かもしれません。
どうせ「遊休」しているならば、
失うものはほぼないわけですから、
テスト展開もやりやすいはずです。
目の前の仕事に追われていると、
こうした発想は出て来にくいかも
しれません。
自社を、自分の仕事を、
上から俯瞰する目線で見直してみる
ことが、「遊休」資産の有効活用には
きっと役立つのではないかと考える
次第です。