『現場のドラッカー』で紹介されていた事例
昨日書いたこちらの記事、
その余韻が残っている。
『現場のドラッカー』を読み終え、
Kindleのハイライト機能を使って
振り返ろうと思ったら、ハイライト
した箇所だけで膨大な量に。
そこだけ読めば、簡単に要約できる
かなと思ったら大間違いだった。
そんなハイライト箇所から、
これは是非紹介しておきたい、
と思ったところを抜き出したい。
そうすることで、自分の頭の中への
定着を図る意味も込めて。
マーケターとしてつい反応したのは、
いくつかの興味深い事例をドラッカー
経営学に寄せて解説していた点だ。
今日はそこから二つ程。
まず、田舎に残っている電器店が
メチャクチャ儲かっているという話。
電器店というと、都心ではヨドバシや
ビックのような「カメラ」出身の量販
が強く、郊外ではヤマダ、K’s、ノジマ
などの量販が強いイメージだ。
そしてAmazonや価格.com、ジャパネット
などの通販も売り伸ばしているはず。
しかし、こういった量販店や通販は、
小回りの利くサービスはできない。
田舎のおじいちゃんおばあちゃんたちは、
電球が切れたときにそれを取り換えに来て
くれるような地元の中小電器店を頼りに
しており、厚い信頼関係で結ばれている。
それゆえ、大型の家電が必要になったときも、
量販では買わずにいつもの電器店を頼ると
いうのである。
以前にこちらの記事で、でんかのヤマグチを
紹介したことがあるが、まさにこのような
例が、高齢化の進むこの日本の各地で
起こっているということなのだろう。
この事例を、國貞さんは、ドラッカーが
「予期せざるものがイノベーションの機会」
であると言ったことになぞらえて紹介して
いる。
確かに、都会に住んでいたら、田舎に残る
中小の電器店が大儲けしているなどと
想像するのは難しい。
イノベーションを見つけるには、とにかく
外に出かけて行って、よく見て、よく聞く
ことが必要不可欠だ。
田舎の電器店が儲かっていると聞いたなら、
実際に何がどうなっているのか、質問しに
出かけることで、やっと本質理解に近づく
ことができるのだろう。
もう一つの事例が、「サトウのご飯」だ。
言わずと知れた、おひとり様用のパックご飯
である。
佐藤食品工業は、これを当初は単身者向けに
コンビニで販売していたそうだ。
しかし、この商品がブレイクしたのは、
夜遅くに帰ってきたご主人用に便利だという
理由で家庭の主婦が買うようになったからだ
とのこと。
これも割と有名な事例かもしれないが、
正に「予期せぬ成功」、「イノベーション」
事例と言って良いと思われる。
やってみないと分からない、
だからとにかくやってみよう!
という精神で臨むのを勧める、
「Effectuation(エフェクチュエーション)」
の考え方にも相通じる。
他にも面白い内容がたくさんあるのだが、
今日はこの辺にて。
後日また違った切り口で紹介したい。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。