株は社長で選べ!
基本的に株はやらない。
時間の無駄だと思うからだ。
無駄とは言い過ぎかもしれないが、
少なくとも短期売買は私にとっては
全く非合理。
やるとしたら、応援したい会社の株を
持つか、必ず使う商品・サービスを
展開する会社を株主優待目当てで持つ
くらいのもの。
代わりに、投資信託を長年続けている。
間接的に株をやっているようなもの
だが、投資のプロフェッショナルが
何らかのコンセプトに基づいて厳選
した株のみでポートフォリオを組んで
くれるので、リスクは少ない。
そのコンセプトに共感できるなら、
お金だけ預けてあとはほったらかし。
そんなスタンスで20年くらいやって
きて、お陰様で資産運用成績は頗る
順調だ。
そんな私の元に、先日参加した
エンタメセミナー・DAF22からの
サプライズプレゼントが届いた。
かんき出版で現在活躍されている
編集者、杉浦博道氏の手による
書籍、『株は社長で選べ!』である。
著者は、証券アナリストの藤本誠之氏。
「相場の福の神」の異名を持つ、
メディア出演多数の人気アナリストの
ようだ。
株自体に手を出していないので、
自分から買うことはまずないで
あろう本。
だからこそ、なのだろう。
読んでみて思いがけない発見が色々
あって、杉浦さんのご厚意に感謝が
湧き上がる。
本書の主張は、タイトルに全て凝縮
されている。
そう、株を買うなら、まず社長を見て
評価し、それに基づいて選びなさい、
ということ。
なぜ社長がキーポイントなのかを、
誰にでも分かりやすく噛み砕いて
説明した上で、個別具体的な会社
(銘柄)の紹介に大半の紙幅を
割いている。
興味深かったのは、様々な有望企業の
ビジネスモデルの概略を、とても
分かりやすく知ることができる点。
『会社四季報』はとても読めない、
読む気がしないという人も、本書なら
気軽に手に取れるだろう。
そして、その選ばれし会社たちが、
コロナ禍の状況下で有望だと著者が
判断したユニークかつ優秀な企業
ばかり。
50社ほど紹介されている会社のうち、
知らない会社が殊のほか多く、
自分の勉強不足を恥じると共に、
新たな視点をもらえた気分である。
キーワードは、IT、サブスク、そして
意外なのは不動産関連が多かった
ということ。
本当に概略しか書いていないので、
気になる企業をピックアップして、
もう少しマーケティング観点から
深掘りしてみたら、更に興味深い
ことが色々出て来るのではないかと
ワクワクする。
もう一つ、嬉しかったこととしては、
社長がマーケティング出身の社長を
推してくれていること。
私自身、マーケティングを生業として
きているが、経営者になる上で最も
有効なキャリアだと信じて来たし、
避けて通れない最たるものだと思って
いるからである。
編集者の杉浦さんは、今はかんき出版に
属していらっしゃるが、つい最近まで
SBクリエイティブに在籍だったご様子。
こんなインタビュー記事があったので、
参考までに貼っておく。
敏腕編集者としての心構えと、
テクニックの両方が垣間見えて、
とても面白い記事だ。
やはり、ベストセラーというのは
著者も重要だが、編集者の腕も相当
モノを言うことが伝わってくる。
マーケティングの本質と相通じる
ところがあるので、本も良いけど
インタビューも是非読んでみて
欲しいところだ。