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続・「ご近所バース」と「環世界」という概念

昨日の投稿に続けて、もう少しばかり
「ご近所バース」「環世界」の話を
させていただく。

柳瀬さんの話を乱暴にまとめると、
バーチャル空間に遊ぶのもいいけど、
自分の「ご近所」=身近な世界を探検する
だけでも、十分面白い!

まずは、他人あるいは他の生き物の
「環世界」を、自分の中に取り入れてみる
ことから始めよう!

そんな感じである。

昨日は、ユクスキュル『生物から見た世界』
について触れたが、今日は柳瀬さんが触れた
別のネタ、二つ程について。
いずれも、ご近所探検をすることで
発見できるもの
である。

一つは、「超芸術トマソン」について。

赤瀬川原平さんのこの著書を読んだことは
なかったが、「無用の長物」を切り取った
写真は何枚か見て知っていた。

このトマソン、Wikipediaでかなり詳しく
解説されているので、是非ご覧いただきたい
ところ。
かつては機能していた階段とかドアと
いったモノが、何らかの事情によって、
今や「無用の長物」化してしまった残骸
指す。

柳瀬さんは、このトマソンを取り上げて、
「AIとは極めて相性が悪い」ものとして
紹介してくれた。

というのも、AIというのは、何らかの
「意図」を汲み取って答えを出してくる
プログラム
であるのに対し、トマソンは
「意図せず」に生まれるものだからだ。

「トマソン的なモノを作ろう!」という
「意図」が入った瞬間に、それはもはや
「トマソン」ではありえなくなる。

だから、AIでトマソンを作るというのは、
残念ながら成し得ないのである。

ヒトは、トマソンが宿している独自の
「ストーリー」を見立てることができる。

そして、それこそがトマソンの面白さの
源泉
と言えるだろう。

ヒトとAIは共存できるのか、
シンギュラリティは来るのか、
そんな話がよく語られるが、やはりAIとは
相容れない何か、ヒトでないと成し得ない
何かというのは残り続ける
ような気がして
ならない。

もう一つ面白かったのが、
ご近所を歩くと地形を詳しく知ることが
できる、その地形に絡んだ話。

人類は、歴史上、ほぼ一貫して
「湧水地」「川」「崖=高台」
これら3つがある土地を、
最上の住処としてきたという。

東京の中でも、高級住宅街はすべからく
これらの要件を満たしているというのだ。
なるほど、確かにその通り。

そして、これは東京に限らず、
人類が起こったと言われるアフリカの
頃からずっと変わらない
というのだ。

ご近所探検から、あまりに壮大な話に
飛んで頭がクラクラしたが、これまた
なるほど、確かにその通りである。

そして、この最上の住処の条件が、
カワセミにとっても最高に住みやすい
条件
らしく、何と東京でも至るところに
カワセミを見つけることができるらしい。
我々は単に気付いていないだけ!
言い換えれば、ヒトの環世界とカワセミの
それとが、かなり近しい
ということ。

『ブラタモリ』で、タモリがやたらと
地形、地層(断層)や石の類に詳しく、
興味深い話を聞けるのが楽しいが、
それを凌駕する知的興奮を味わえた。

そんな、ワクワク胸躍る体験を、
メタバースのような電脳空間ではなく、
ご近所というリアルな空間でもっと
やっていくべきと再認識した時間。

柳瀬さんの「環世界」を通じて観る
ことのできた世界は、極めて豊穣で、
刺激的であった。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。