「図解」は良いことだらけ
私がまだ大学で法律を学んでいた頃、
つまりは30年程前になりますが、
師匠である先生や、兄弟子たる先輩と
一緒に、判例(裁判の先例となる過去の
判決)を図解することに血道をあげて
いたことがありました。
WindowsではなくMacを愛用し、
「Inspiration」(インスピレーション)
という名前の、今のパワーポイントに
近いソフトを駆使して、いかに判例を
分かりやすく図解するかを工夫する
ことが、殊のほか楽しかったのです。
実のところ、この「図解」というのは、
物事を理解する上で、非常に効果的な
方法だと言えるのではないでしょうか。
昨日の記事で、Xについて書かせて
いただきました。
急激に増えて来た、友人・知人による
ポストの嵐に触発されて、
私も「にわかX民」化しているわけですが、
最近フォローし始めたアカウントが
とても秀逸な図解を毎度載せてくれて
いて興味深いです。
よくアルファベット3文字(前後)で
表されることの多いビジネス用語を、
特にIT系やマーケティング系中心に
図解で説明してくれるのですが、
非常に分かりやすい。
プロフィールを見ると、
「グラレコ講師」とあるので、
グラフィックレコーディング、
即ち会議内容などを絵にして残す
プロフェッショナルな職種の方の
ようです。
道理で分かりやすいわけですね。
こうした図解というのは、
もちろん受け手にとって有り難い
側面が大きいですが、
実はこの図解を行う本人が一番の
メリット享受者なのだと言える
ように思っています。
というのも、図解するためには
その対象について広く、深く学んで
置かなければなりません。
そして、その本質を掴んでおく。
そうすることなくして、
受け手に分かってもらえる図解を
作りあげることはできないでしょう。
私がいつもお世話になっている
noterさんに、久恒啓一さんという
方がいらっしゃいます。
JALの広報で活躍された後に、
宮城大学、多摩大学などで教鞭を
取られてきた久恒さんは、
「図解」の第一人者。
関連著書が多い中、今こちらの本を
ノロノロながら読書中です。
この本にもある通り、
「図解」しようと思ったら、
それなりの読み方をする必要が
あります。
この本では「図読」という呼び方を
されていますが、この「図読」をすると
大いなるメリットがあるでしょう。
具体的には、
①理解が深まる
②思考がクリアになる
の2点でした。
具体的な方法論の詳細は同書に譲りますが、
仮に自らの課題図書を選んで内容を
図解しようと思ったら、少なくとも3回は
通しで読み込む必要がありそうです。
本と対話しながら、いかに図解を使って
人に分かってもらえるようにするかを
考えていくうちに、自身もその内容を
深く理解し、著者の意図がより明快に
自分の腹に落ちていくわけですね。
積読が多い中、この読み方をするのは
なかなか大変ですが、これはという本は
この「図読」でじっくり取り組みたいなと
思う次第です。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。