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「この馬鹿モノめが!」

「ギャップ萌え」という言葉がある。
見た目は怖いのに、中身は超優しい
とか、遠目にはパッとしない見た目
なのに、近付くとものすごい美形だ
とか、激しいギャップについつい
引き込まれる、惹かれることを指す
言葉だ。

私自身、見た目は大人しく、穏やかで、
あまり厳しいことも言いそうにない
ように見られることが多い。
実際、見た目と中身が一致していると
個人的には思うのであるが、希に
足立区出身の地が出てしまうのか、
汚い言葉遣いになることもある。

あまりに汚い言葉遣いをしていたら、
ビジネスパーソンとしての信用・信頼
に関わるので、出るとしたらもちろん
プライベートな場面ではあるが、
それはそれで
「親しい中にも礼儀あり」
に反するわけだから、あまり宜しく
ない。

そんな「汚い言葉遣い」の一つに、
「馬鹿モノ」「馬鹿者」「バカ者」
というのがある。
漢字とカナの組み合わせには、
特に意味はないのだが、文脈に
よって微妙なニュアンスを持たせる
ことは可能だろう。
この「馬鹿モノ」という言葉、
英語だと「Stupid」というのが
ピタッとハマるのではないかと
思われる。

「KISSの原則」というのを聞いたこと
はあるだろうか?
KISSといってもセクシーな話ではない。
「Keep It Simple, Stupid!」
という英文の頭文字を取ったものだ。
Wikipediaによれば、1960年代に米国
海軍で言われるようになった原理原則
だとのこと。
私流に訳すと、
「シンプルにしておけよ、
 この馬鹿モノめが!」
という感じになる。

(「愚か者」と訳す方がより一般
的で、適切といえるかもしれない。
ネイティブの方、ネイティブに近い
方、ニュアンスを是非後でコッソリ
ご教示いただきたい💦)

こんなことを正面切って言われたら、
ドン引きだ。
軍隊発祥の言葉であれば仕方がない
のかもしれないが、いずれにしても
人にこんな風に言われるのは御免
である。

この「Stupid!」の表現に、あろうことか
ドラッカーの勉強会で出くわした。
最近、ご縁をいただいた会にて、
ドラッカーの生い立ち、その思想の
成り立ち、源流を探りつつ、実際に
説かれた壮大な知の軌跡をひもといて
いくという機会に恵まれている。
その直近の会において、突如この
「Stupid!」の後に出くわしたのだ。
高尚なるドラッカーの理論におよそ
そぐわない語調に面食らったがため
に、かえって記憶が鮮明になるという
ところがまた面白い。

日本でバブルがはじけたかどうか、
というタイミングの頃、クリントン
大統領がブッシュに勝った選挙で、
「It's the Economy, Stupid!」
という言葉を吐いていたそうな。

その言葉をもじったのだろう、
ドラッカーは2002年の著作
『ネクスト・ソサエティ』
において、
「It's the Society, Stupid!」
という言い回しを使っている。

経済が大事なのか。
社会が大事なのか。

経済は、人がいてこそ意味がある。
経済発展しても、人の尊厳が失われる
ような社会では意味がない。
常識的に考えればそうなる。
しかし、バブルに浮かれたりする等、
経済至上主義に陥ってしまう危険を
はらんでいるのが資本主義。
共産主義よりもずっとマシだが、
決して完璧ではなく、次の社会を
新たに作っていかねばならないのだ、
というのがドラッカーの立場。

「人、そして人が構成する
 社会こそが大事なんだよ、
 この馬鹿モノめが!」


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。