『現場のドラッカー』
「現場」
とても大切な言葉である。
「事件は現場で起こってる!」
という名セリフを思い出す。
このセリフは、
「経営は現場で起こってる!」
「マーケティングは現場で起こってる!」
「イノベーションは現場で起こってる!」
などと言い換えることもできるかも
しれない。
何事も、現場でしっかり確認しないと、
本質的なところは見えにくい、
分かりにくいというのは真理だと
思われる。
ドラッカーの本や、そこで説かれている
内容を、その「現場」でどう生かすか?
という切り口で書かれた本がある。
『財務3表一体理解法』で有名な、
経営コンサルタントの國貞克則さんが
書かれた『現場のドラッカー』である。
Kindleで購入し、毎日毎日少しづつ
大切に読み進めていたのだが、
最近ついに読み終えてしまった。
『傍観者の時代』のときもそうだったが、
ちょっとした喪失感に襲われている。
それ位、読んでいてとても励まされるし、
何度もうなづきまくりの本であった。
以前に「渋沢ドラッカー研究会」にて
國貞さんのご講演を伺う機会があり、
下記のような感想をしたためた。
改めて読み返して、國貞さんに感じた
「真摯さ」を思い出した。
ドラッカーに関わる人は、
驚くほどみな「真摯さ」を備えている方
ばかりである。
自分自身も、ドラッカーを学びつつ、
「真摯さ」を保てているだろうか?
そう問いかける日々だ。
『現場のドラッカー』では、
ドラッカー経営学をかなり分かりやすく、
現場に落とし込みやすい形で言語化して
くださっている。
また、正に文字通り「現場」でどのように
使われ、実際に成果が出たのかという
事例が、極めて納得度が高い。
國貞さんご自身の失敗談も、惜しげもなく
披露されており、コンサルタントの成長
物語としても読める点が、更に面白さを
増す要因となっている。
切れ味鋭い武器も、現場でフル活用しない
限りは役に立たない。
ドラッカーの有り難い教えを、現場で活用
するにあたり、手っ取り早くこの本を活用
するのが、結果を出すには有効だろう。
ドラッカー本人の著書が使いにくいという
訳ではないが、やはり小難しい言い回しは
多い。
格調が高い、と言った方が正しいか。
國貞さんが徹底しているなと思ったのは、
『マネジメント』を読み解いた際に、
原書(英語)と、上田惇夫さん訳の本、
そして有賀裕子さん訳の本、3冊を同時に
見比べながら読んだというエピソード。
これによって、飛躍的に理解が高まったと
語っていらして、なるほど!と思わず
膝を打った次第。
時折読み返したくなるような、
付き合いの長くなりそうな本である。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。