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身の回りをきれいに保つことの効用

鍵山秀三郎さんといえば、
イエローハットの創業者であり、
掃除の達人。
今や、「掃除の人」としての方が
有名かもしれない。
私が唯一サブスクリプションで購読を
している雑誌、『致知』においても、
度々取り上げられるし、
それ以外の雑誌やWeb上の記事、
その他様々なメディアに取り上げ
られているので、知らない人の方が
少ないくらいだろう。

著書も多数あって、基本的に「掃除」の
ことしか語っていない印象を持たれて
いるように思うが、「掃除」をなぜ
始めたのか、なぜそれをやり続け、
それがどのような形で経営に良い影響を
与えるに至ったのか、その辺の物語を
知らない人は是非一度でいいから
彼の著書なり関連記事なりを読んで
みて欲しいと思う。

私も、
「掃除すれば全てがよくなる」
と説いている人、くらいの表面的な
理解をしていた時期があった。
しかし、考えれば考えるほどに、
深みのある話なのではないかと
思うのである。

最近、「年輪経営」を説く、伊那食品の
塚越寛さんについて書いた。

その塚越さんが、鍵山さんと共著を
書かれている。
塚越さんも、社員総出で毎朝掃除を
実践しており、お二人の経営哲学は
非常に近しいものがあるのだ。

掃除をすることの効用は、この本にも
色々な角度から書かれている。
いくつか挙げると、

仕事のムダがなくなる
忍耐心が付く
思いやりの心が育つ
人格が高まる
人に感謝される
信用、信頼を得られる
仕事が早くなる

といった具合である。

こういった本を読んだり、あるいは
自分でも身の回りを出来るだけ
きれいに保つ努力をしてみて、
「掃除の効用」として感じる最大の
ポイントは、
「加速装置を手に入れること」
ではないかと思っている。

擬音で表現すると、
「サクサク」
「サクッと」
考えたり、動いたりできるように
なる、そんなイメージだ。

机の上がキレイに整理されていると、
当然気持ちが良い。
何がどこにあるか分かりやすい。
だから動きにムダがなくなる。
小さなゴミなどにも気づきやすく、
キレイさを維持する方向へ加速度が
付いていく。

そんな効用を享受しながら、仕事を
進めていくことから、仕事の密度が
高まり、成果が上がりやすくなる。
関わる人たちに良い影響を及ぼす
ようになり、感謝され、信用信頼を
高める。

鍵山さんも示唆していらしたが、
巡り巡ってどういう状態になりたい
のか、そこを意識して掃除という
「凡事」を徹底したからこそ、
最終的に企業業績の向上という成果
までをも得るに至ったのだ。
ただただ闇雲に掃除をしたところで、
恐らくは鍵山さんのような成果を
あげることは無理だろう。

先に、「加速装置を手に入れること」
が掃除の効用ではないかと述べたが、
あくまでもこれは「手段」なので
ある。
何かしら「目的」があって、それを
達成するための手段の一つとして、
身軽になってすぐに動ける心と体を
手に入れておくのだ。

成功を手に入れるためには、即時
判断が求められることが多い。
「幸運の女神には前髪しかない」
という話をよく聞くと思うが、
正に幸運をつかむチャンスでは
即断即決が必須。
だからこそ、心も体も身軽にして
おかなければ、即断即決できずに
チャンスを逃しかねない。

たかが掃除と侮るなかれ。
掃除することで、心と体を常に
身軽に保ち、
即断即決力を手に入れて、
それによっていざ幸運や成功の
チャンスがやってきたときに
素早くつかみ取ることに
つながる。
そんな気持ちを胸のうちに
秘めながら掃除をするならば、
ただの雑事に見える掃除が
貴重な実践に思えてくるし、
実際そうなってくれる、
そんなことを思うのである。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。