マネジャーに必要な資質
ドラッカー・スクールの卒業生で、
現在経営者、大学教員、著者として
マルチに活躍されている藤田勝利さんの
主催されている学びの会に参加させて
いただいた。
全3回のうちの3回目。
新しく出たばかりのこちらの書籍の
内容に大枠沿いつつ、特に重要な
項目をピックアップして解説を頂き、
参加者と一緒に討論するスタイル。
今日はテーマが多岐にわたり、
討論された内容も生々しいものが
目白押し。
ここでは書きやすいものを選び、
自分の復習も兼ねて紹介させて
もらおう。
ドラッカーが説いた、マネジャーに
任命してはいけない人の条件という
ものが5つある。
これが、自分の今の境遇を踏まえて
じっくり反芻すべきものであり、
なおかつここでも取り上げやすい
と考えた。
その5つの条件とは、以下の通り。
1.強みよりも、弱みに目を向ける者
2.何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者
3.真摯さよりも、頭の良さを重視する者
4.部下に脅威を感じる者
5.自らの仕事に高い基準を設定しない者
マネジャーとは、文字通りマネジメントを
する人のこと。
だから、マネジャーにしてはいけない条件
とはつまり、マネジメントする上で必ず
守るべきことを、残念ながら守れないこと
を意味する。
なんだかまだるっこしいので、
この条件をそっくりそのまま裏返せば、
マネジャーとして守るべき条件になる、
そのようにシンプルに理解した方が
話が早い。
5つの項目、どれもを取っても、相当に
含蓄のある話ができそうだ。
1番目はこちらやこちら、
3番目はこちらやこちらに、
それぞれ似たような内容で書かせて
もらったことがあるので、今日は
2番目について少し思うところを書いて
みようと思う。
「何が正しいかよりも、誰が正しいかに
関心を持つ」ということは、つまり
組織の中で権限を持つ人間に取り入る
タイプの人間である。
マネジャーが、こうした態度をとると、
組織の意思決定が歪むことは容易に
想像がつくだろう。
会社がわざわざ資本を集結させて、
ビジネスを行うことで目指す内容は
千差万別。
しかし、いずれの場合も、顧客を
創造しない限り、何も始まらない。
顧客を創造し続けることで、社会に
おける課題解決に貢献し、結果として
事業継続の動力源となる利益を得る。
この、「顧客を創造する」上では、
何が正しいかにフォーカスすることが
殊の外重要だ。
顧客が喜んでくれることを追求する、
つまりは正しいマーケティングを実践
することが欠かせない。
あくまで、顧客=「誰」が正しいかに
フォーカスしているわけではなく、
顧客に喜びをもたらすもの=「何」が
正しいかにフォーカスしているという
ことだ。
これに対して、「誰」が正しいかに
フォーカスする態度というのは、
要は「日和見主義」である。
誰が一番組織内で偉いのか。
誰が一番推進力を持っているか。
誰が一番強い決定権を持っているか。
その「誰」になびく態度。
「政治的態度」と言っても良い。
こうした態度が、部下から見たら
唾棄すべきものであることもまた、
容易に想像できるところ。
しかしながら、なぜかマネジメント
する立場にある少なくない人たちが、
「子飼い」と呼ばれるような部下を
マネジャーに昇進させる。
公平、公正な見地からマネジャーを
選ぶのでなく、自分の言うことをよく
聞く忠実な僕だからという理由で、
マネジャーの抜擢を行い、派閥形成を
図っていく。
自分自身が、ここに挙げられたような
NGマネジャーになっていないかを
常に自問自答する必要がある。
また、自分の属する組織において、
NGマネジャーな態度を取っている
同僚がいたら、それをどうにかして遠回しに
変化に導くよう努める必要がある。
この5項目は、改めてピックアップして
頻繁に見直すとしよう。