戦略とは「資源配分」
経営全般にせよ、私が生業にしている
マーケティングにせよ、
「戦略」
という言葉がよく使われます。
「戦略が大切だ」
「まずは戦略を立てよう」
「戦略的に言うと・・」
「戦略の観点からは・・」
やたらとこのキーワードを連発して、
何か高尚なことを宣っているような
フリをしているのではないか?
という人も散見されます。
そのくらい、「戦略」という言葉には
重みがありますし、内容はともかく
何かいいこと言ってそうな雰囲気を
醸し出すパワーがありますよね。
もう半年近く前になりますが、
マーケティングにおいては、
戦略=「Where to play」
戦術=「How to win」
と整理する考え方がありますよ、
ということを紹介しました。
色々な人が色々なことを
おっしゃっているので、
どれが絶対的な正解!ということは
正直ないと思っています。
ただ、私の場合は、人に説明するに
あたって「小中学生でも分かる」
レベルで定義付けをしておくべき、
という思いもあって、できる限り
平易な定義を採用しようと心がけて
いるのですね。
「戦略」という言葉の成り立ちを
見ると、「戦」いを省「略」する、
と読めます。
なので、いかに戦わないで済むように
するか、その方法論こそが「戦略」で
あると説明をしてきました。
「方法論」なんて言っている時点で
ちょっと固いので、小学生にはやや
難易度が高いかもしれませんね。
本当に小学生に教えるとなったら、
「やり方」などと言い換えるでしょう。
先の「Where to play」というのは、
「どこで戦うか」を選ぶこと、
という意味合いです。
マーケティングにおいて、どこで戦うか、
つまり戦場を選ぶことというのは、
・どこの市場で
・誰に対して
・どんな嬉しさを
提供するかを決めることです。
この「決断」をすることで、
他の選択肢を振り捨てて
資源を集中投下することが可能になり、
勝利する確率を高めることができると
言えるでしょう。
この、「他の選択肢を振り捨て」る
ことが大切なのですね。
ヒトにせよ、カネにせよ、
資源は有限ですから、使い続けていれば
あっという間に枯渇してしまいますので、
有望な選択肢のみを残してあとは捨てる
しかないのです。
最近、池田紀行さんの
『マーケティング つながる思考術』
という本をパラパラと読んでいたら、
「戦略」についての秀逸な定義を
発見しました。
なるほど、「資源配分を決めること」と
ズバリ言われると、おっしゃる通りで
とても腹落ち具合が宜しい。
この「戦略」の定義に限らず、
あらゆる言葉の使い方について、
とても丁寧に考えた跡を残すような
書き方をされる池田さんの本は、
著者と対話しているような感覚に
なれるところがとても面白い。
『売上の地図』も大変素晴らしい本
でしたが、こちらの新刊もオススメ
しておきます。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。