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「泥つき大根事件」と、問題解決の「自分ごと」化

昨日紹介した、小島希世子さん
『農で輝く!ホームレスや引きこもりが
人生を取り戻す奇跡の農園』

について
もう少し紹介を続けたい。

小島さんの起業家人生ストーリーが
とても面白くて、
グイグイと引き込まれながら
読み進めたのだが、
特に興味深いエピソードを2つほど
ピックアップして紹介したい。

一つ目が、「泥つき大根事件」である。
これは、ECで野菜を売り始めた折に、
お客様からクレームの電話が入って
それに対応した際のエピソード。

なんと、いい大人が
「大根に泥がついている!」
というクレームをしてきたと
いうのである。

大根が土に植わっている以上、
土がついていることだって
当然ある。
小島さんの営む「えと菜園」の
野菜は、安心安全にこだわった
農作物
だということがウリで
ある以上、むしろ土がついていた
方が信ぴょう性も増す
というもの。

クレームの電話に対して、
きちんと洗って出しているものの、
土が一部残ることもあるのだと
誠意をもって説明をしたところ、
お客様の反応が、

「え? 大根って土の中にできるものなの?」

というものだったとのこと。

スーパーで売られている大根に、
土がついていた試しがないため、
それが当たり前で育ち、
よもや土に植わっているなどと
想像ができない、そんな大人が
実際にいる
のだ。

丁寧な説明を繰り返した結果、
そのお客様は十分に納得して
くれて、一件落着だった様子。

とはいえ、そんな大人が少なからず
いるのかと思うと、私個人的には
日本の将来に対する危機感
一層増したと言わざるを得ない。

これは、学校教育の問題だけでなく、
核家族化の進展、都会と農地の分離、
その他様々な問題が複雑に入り組んで
いて、一朝一夕に解決する類の問題
ではないことは明らか。

せめて、自分の影響が及ぶ範囲だけでも、
農の常識的な部分を誰もが理解できて
いる世界
を目指したいものである。


二つ目に紹介したいのが、
「自分自身を大切にしないことへの怒り」
という小見出しのところ。

戦力を求める先を、ホームレスをメインに
していたところから、生活保護受給者
徐々に増えて来た折、そのうちの1人が
無免許で飲酒運転をしてしまった。

特に警察に捕まったわけではないが、
もし何かあったら大変なこと。
知ってしまった以上、本人に注意し、
今後そのようなことを犯さないよう
策を講じるのは当然
だろう。

しかし、残念ながら、当の本人からの
返答は、
「俺の問題だ、俺が責任取るからいいだろ」
というもの。

万一そのときに人の命を奪うような
ことになっていたら、責任なんて
取りようがない。

そんなケースで、小島さんがその本人に
対して、「自暴自棄」になっていること、
いわば「闇」を抱えているということに
対して、「腹が立った」と言っている
ところに非常に感じ入った。

彼らの人生なのだから、
彼らが自分で責任をとればいい。
そのように突き放せば済むところ、
小島さんはあくまで「自分ごと」
して捉え、どのように問題を解決するか
親身になって考えようとする姿勢

揺るぎのないものを感じたからだ。

真剣に彼らの人生に関わり、
その都度あちこち細かな問題に
ぶつかりながら、最後まで自分の
問題としてやり抜く姿勢
は、
清々しく、そして美しい。


というわけで、小島さんの本から、
ごく一部をかいつまんでご紹介した。
起業して自分のビジネスを大きく
していきたい!という人には、
非常に示唆に富むことが多く含まれて
いる
こと請け合いだ。
是非参考にして欲しい。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。