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話題の『偶発購買デザイン』
お正月にある公園で撮った一枚、
左上方に浮かぶ雲が「2」にも
見えるし、「龍」にも見えます。
特に「龍」に関しては、かなり
縁起が良いのではないか、などと
勝手に思っているのですが、
あくまでもこれは
「偶然」のいたずらでしょう。
世の中には「偶然」があふれている
のは言うまでもありません。
しかし、ビジネスをやる以上、
「偶然」頼みというわけには
いかないのは誰もが認めざるを
得ないところ。
そんな「偶然」を「偶然」のまま
終わらせない、「偶然」を購買の
プロセスに組み込んでしまおうと
いう趣旨の本が、最近「宣伝会議」
から出て話題を集めているようです。
ビジネス書を紹介するメルマガとして
著名な、土井英司さんの
「ビジネスブックマラソン」で
発売早々1月初旬に紹介されていました。
また、直近では「Advertimes」の記事で
名城大学教授の山岡隆志さんが書評を
寄せていらっしゃいました。
本の帯も大変豪華でして、トライバル
メディアハウスの池田紀行さんが、
「ついにポストAISASとなる新たな
購買プロセスが示された」
との推薦の辞を寄せています。
また、あの「あざとかわいい」で
有名なゆうこす氏(菅本裕子さん)が
「バズは偶然からは生まれない。
あざとい設計が不可欠!」
といういかにもらしい推薦文を寄せて
いました。
池田さんの言う「購買プロセス」とは、
いわゆる「AIDMA」だったり、
「AISAS」だったり、
あるいは最近私もここに書いたばかりの
「パーチェスファネル」のことです。
従来の購買プロセスモデルが、
認知から購買へとつながっていく
直線的なモデルであるところ、
SNSが発達し、世の中の「好み」が
極めて多様性に満ち満ちてきている
状況を踏まえて、ある意味衝動的に、
偶発的に購買が起こり得るのだ、
ということを理論的に説明しようと
試みているようですね。
具体的には、「SEAMS®」という
モデルを提唱しています。
即ち、
回遊(Surf)
遭遇(Encounter)
受容(Accept)
高揚(Motivation)
共有(Share)
という順序で進む購買プロセスです。
ネット上をサーフィンすることの多い
消費者を前提に、いわゆる「推し」
消費で衝動買いし、それを周囲にも拡散
しまくるような行動を説明する上で
ピタッとハマるモデルだと言えそうです。
以前、Googleも「パルス消費」と
いう概念で、消費者の衝動的な購買
行動を説明しようとしていました。
このnoteを書いたときは、
私自身「パルス消費」なんて名前を
付けてはいるものの、やはり従来の
ファネル型の意思決定が、消費者の
頭の中で極めて高速に起こっている
だけではないか?と感じていて、
Googleのアイデアには否定的でした。
その後、コロナ禍を経て、世の中の
状況も着実に変わり、確かに従来の
モデルで説明するのが難しいような
消費者の行動が増えているのを認め
ざるを得ません。
『偶発購買デザイン』は、電通の
プランナーさんたちが書いており、
広告の現場におけるリアルな知恵が
言語化されているのでしょう。
書評をいくつか読んで、分かった気に
なって満足していましたが、
やはりちゃんと買って読んでおこうと
これを書きながら決意した次第です。
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