見出し画像

認知的自由の確保

AIの進化が著しい昨今ですが、
身体拡張技術の方の進化も
すごいものがありますよね。

映画『AVATAR』や『スターウォーズ』
シリーズに見られるような技術が
どんどん現実のものになっています。

例えば、「考えるだけ」で義手や義足を
操作できる技術
をイメージすると
分かりやすいでしょうか。

ただ、脳と機械の接続により、
思考を読み取られてしまったり、
思考を操作されてしまうような
リスク
もあり得るようです。

そこで生まれてきたのが、
「Cognitive Liberty」(認知的自由)
という概念。

「個人が自らの精神状態や認知機能を
自由に制御・選択する権利」
というのが
定義です。

たまたま最近参加した、
向こう5年、10年のトレンドを考える
というテーマの講演で耳にした
キーワードでした。

脳の活動を計測(例:脳波測定)する
だけであれば、「神経測定」と呼ばれます。
しかし、脳機能に干渉(例:記憶の強化)
するようになると、それは「神経操作」
呼ばれるものになり、企業や政府が
個人の脳活動を分析・操作する可能性が
危険視されてくるわけです。

そのような状況下で、
「認知的自由(Cognitive Liberty)」を
確保できるか
が問題となるのですね。

マーケティングの絡みで言うと、
ウェアラブルデバイスや脳波測定技術が
急速に発展し、企業が脳活動データを
取得・分析することが可能
になってきた
ことを受けて、消費者の脳反応を解析し、
購買行動を誘導する試み
が進められて
いるとも聞きます。

しかし、これは個人の無意識の選択に
影響を与え、自由意志を損なうリスクを
伴う
ものとなり、倫理的に大きな問題を
はらむ
わけです。

マネジメントの絡みからは、
ニューロフィードバック技術や
ブレイン・コンピューター・インター
フェース(BCI)の発展により、
認知能力の向上や精神状態の制御が
可能になりつつある
ことを受けて、
従業員の集中力を高める目的で
企業が脳波監視技術を導入するような
ことが例として考えられます。

これは、勿論良い面がありつつも、
本人の意図しない形で精神状態を
制御される懸念
もあることは
否定できません。

神経科学技術が個人の内心に干渉する
可能性があると考えると、
かなり怖い感じがします。

企業の技術開発が進む中、法的な
枠組みや倫理的なガイドラインの
策定など、保護基準の確立が急務

なるのでしょう。

いいなと思ったら応援しよう!

ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。