丸亀製麺に対抗するはなまるの打ち手
トリドールホールディングスが
展開する「丸亀製麺」は、
セルフ業態のうどんチェーンと
して一歩抜きんでていますよね。
マーケティングの「4P」で
簡単に振り返ると、以下のような
感じでしょうか。
「Product」
一番の肝、商品の根幹をなす
うどんそのものが、高いレベルで
各店均一に提供できていると言える
でしょう。
各店に「麺職人」がいることで、
その品質の確かさを裏打ちしています。
打ちたて、切りたて、茹でたての
「3たて」をうたっていたように記憶
していましたが、現在のHPでは
見当たりませんでした。
「Price」
多少値段は上がりましたが、
それでも依然として価格優等生で
あることは間違いないでしょう。
素うどんであればワンコイン未満、
揚げたて天ぷらをつけても
ほぼワンコインです。
「Place」
どのお店も、ロードサイドだったり、
駅前だったり、モールの中だったり、
アクセス至便のところに出店して
いますよね。
また、店舗自体の設計も、セルフで
注文を受けとりながら前に進み、
最後に会計をするスタイルが、
エンタメ要素を盛り込みつつも
無駄の少ない導線で、
よく考えられているなと感嘆します。
「Promotion」
次から次へと期間限定の美味しそうな
メニューを投入しているほか、
昨年のヒット商品番付にも選ばれた
「丸亀うどーなつ」を開発するなど、
非常に積極的に攻めていますよね。
TVやWebで流しているクリエイティブも
非常に質が高い印象ですし、実際に
視聴者からの評価も高い状況です。
これら「4P」が、すべて一貫性を
保った形で展開されており、
丸亀にスキなし!といった趣きでは
ないでしょうか。
その丸亀の最大のライバルは、
吉野家ホールディングス傘下に入った
「はなまるうどん」ですが、
随分と水を開けられてしまった
感が否めません。
昨年12月の「Impress Watch」にある
記事に、丸亀がはなまるを引き離し、
2強時代から独走態勢へと入った旨
書かれていました。
いずれも昨年の決算タイミングで
発表された数字が紹介されており、
丸亀は店舗数で2倍以上、
売上は4倍に迫る勢いなので、
店舗あたり売上でも2倍の差がある
ということです。
利益に至っては、桁が一つ違いますから、
これでは勝負あったと言われても
仕方のないところかもしれません。
それでもめげずに、はなまるも
何とか一矢報いようと頑張っている
ニュースが入ってきました。
なんと、本社を創業地である香川県に
移転、様々なプロジェクトを始動させる
ことを発表したのです。
特に「ウリ」となりそうポイントを、
以下にまとめてみました。
首位とガチンコで、同じ土俵で勝負する
よりは、むしろ逆張りで行こうという
宣言のようにも読めると思います。
「店舗ごとの個性を重視」とありますが、
オペレーションが煩雑になればなるほど
コストの上昇リスクが高まりますから、
そのリスクを上回って利益を出せる程に
消費者の熱い支持を得られるかどうか、
手腕が問われることになるでしょう。
はなまるの逆張り戦略が
吉と出るか凶と出るか、
結果が気になるところです。