「さけるチーズの日」の勝算
「記念日マーケティング」と言われる
手法のことは、割と多くの人がご存知
かもしれません。
その言葉自体は知らなくても、
とにかく色々な記念日が存在しており、
販売促進に使われているという事実は、
大抵の人が知るところのはずです。
丁度1年前位でしたが、
2月22日が「ニャン(2)」が3つも並ぶ
ということで「猫の日」、
11月1日が「ワン(1)」が3つ並ぶ
「犬の日」、
更に「223」とこじつけて
「富士山の日」、といった具合に
記念日を活用してPRマーケティングを
行う例をご紹介しました。
つい最近、雪印メグミルクが販売している
「さけるチーズ」の販売促進で、
「39」という語呂から、3月9日を
「さけるチーズの日」と命名したことが
ニュースになっていたので、少しばかり
ご紹介しましょう。
このAdverTimesの記事の中から、
いくつかポイントを抜き出してみたいと
思います。
「さけるチーズ」は当初「ストリングチーズ」
という名前で売られていました。
縦に裂けるのが面白く、売り始めた当初は
まだ小学生だった私も、まんまとその魅力に
はまって、よく親に買ってもらっていたのを
覚えています。
そんなわけで、主なニーズは子どものおやつ
なのですね。
それが、必然的に夏休みの時期や、
クリスマス等のパーティーシーズンに
需要が盛り上がる実態へとつながっている
わけです。
企業側としては、閑散期に需要の底上げを
したい、ということで、お客様がもっと
買ってくださる「理由」を提供しようと
考えたわけですね。
認知度や好意度の具体的な数値は
オープンにされていませんが、
きっと毎年のようにこれらの数値を
追いかけているのでしょう。
そして、長い歴史を持つ商品だけに、
認知度や好意度が上がると売上も上がる、
といった傾向なども、掴んでいるのかも
しれません。
いわゆる「ファネル」と呼ばれる
消費者の認知から購入へとつながる
意思決定モデルがありますが、
とにかくまずは認知を上げないことには
始まらない、というのが基本的な考え方
なのですね。
認知に一番効くのは、大量の広告出稿
だったりするわけですが、
お金を湯水のごとく使うことになり
かねません。
その点、「記念日マーケティング」は、
わずかな登録料で、うまいことやれば
非常に広く情報拡散できる可能性があり、
とてもコスパに優れた施策だというのは
間違いないでしょう。
今回、記念日の制定と共に、記念イベント
「さけるチーズフェス2024」を開催し、
会場で記念日制定式も実施したわけですが、
メディアに取り上げられたのを見て、
「あっ、さけるチーズだ!
久々に食べたいな!」
というように思ってくれる人をどれだけ
得られたのか、気になるところです。