「ギフト」を買う際にお客様は何を考えるか
バレンタインデーやホワイトデーで
大量に配る「義理」ギフト。
退職する際にお世話になった方々に
配るプチギフト。
部活やサークルなどで部員ひとり一人に
手渡したいお土産ギフト。
「ギフト」市場というのは、
極めて巨大である。
矢野経済研究所の調べによれば、
2021年のギフト市場は10兆1,000億円を
超える規模。
正確性がどこまで高いかは置いても、
超巨大市場が存在していることは
間違いない。
「ギフト」となると、財布のひもが
ゆるむ傾向にある。
ケチだと思われたくないという見栄、
「虚栄心」が働くのも一つの理由で
あろうが、純粋に相手に喜んでもらい
たい、そのためには多少予算を奮発
してもOK、そんな心理も少なからず
あるだろう。
相手に喜んでもらえる「ギフト」を
選ぶにあたっては、人によって様々な
アプローチの違いがありそうだ。
また、どのような「ギフト」を選ぶか、
TPO(Time、Place、Occasion)に
合わせて変える必要もあるだろう。
昔読んだ本に、とても合理的な思考の
持ち主の方が、とにかく手土産は
「コージーコーナー一択!」だと
述べているものがあった。
都内であれば、ほぼどこの駅にも
お店があり、なおかつ一定レベルを
保つ品質で、コスパが良い。
自分が探す手間を省き、あれこれ悩む
ことによる時間のロスや自分の疲れを
防ぐため、予め決めてあるというのだ。
それはそれで一理ある。
しかしながら、自分が良いものを選ぶ
楽しみや、もらってくれた人がワクワク
してくれるチャンスを、大いに逃して
いるとも評価できるだろう。
特に女子は、今どき流行りのスイーツ
とか、ちょっとおしゃれな化粧品と
いったものに目がない。
「ギフト」を買うというきっかけを
いいことに、自分自身も買い物を
楽しんでいる例は少なくない。
そんな女子に人気の「ギフト」を扱う
ブランドの一つが、冒頭の写真にある
碧色のファサードが美しいお店。
麻布十番に本店を持つ
「サブレミシェル」である。
「世界中の美しいモチーフをサブレに」
というコンセプトの下、とにかく
パッケージが「映える」(死語?)
ことこの上ない。
特に、この「ヴォヤージュサブレ」の
シリーズは、エアメール便のような
パッケージに、著名な絵をあしらった
デザインが秀逸。
ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」
ゴッホの「ひまわり」
モネの「睡蓮」
クリムトの「接吻」
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」
などなど。
誰もが知る名画を観てきましたよ!
そんな雰囲気を醸し出している。
6枚入って626円、1枚当たり104円強
するわけで、純粋にサブレの価格と
しては高い。
というのも、高級サブレと言えば
真っ先に思い浮かぶのが「鳩サブレ」。
こちらも1枚108円だが、大きさが
「サブレミシェル」と比べたら断然
大きいのである。
しかし、そんなことは問題ではない。
味も量ももちろん大切ではあるが、
それより何より、もらったときに
「気分が高揚する期待感」が大切。
少なくとも、自分がそれを選んでいる
時点で、気分が高揚している。
これをあげると、きっと相手も
気分が高揚するはず。
そんな「期待感」があればこそ、
お客様は身銭を切ってくださるのだ。
TVを含め、メディアにもかなり取り
上げられている様子。
「ヴォヤージュサブレ」は、なぜか
オンラインストアでは全て売り切れ
扱いだが、実店舗に行けばちゃんと
売られている。
店舗数もまだ少ないこのお店。
もし見かけたら、話のタネに
買い求めてみるのも一興だろう。