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交渉の基本「原則立脚型交渉」

「交渉」と聞くと、どのようなイメージが
思い浮かぶだろうか?
手に汗握る「駆け引き」をイメージする
人が多いかもしれないが、そこまで
大げさでないものも多い。

実際のところ、世の中は交渉に満ちている
子どもが親にお小遣いをねだるのも交渉、
大阪のおばちゃんが小売店舗で何でも
値段を値切るのも交渉、
夕飯のおかずを何にするか、自分の好みを
反映させるべく妻と話すのも交渉だ。

大学時代の恩師である田村次朗先生が、
「交渉学」の研究を進めており、
いくつか著書を出しておられるほか、
「日本説得交渉学会」の会長にも就任
されていらっしゃる。

その学会に、私も末席を汚す形で参画
させていただいているのだが、
この度2023年の「研究大会」で発表を
することに相成った。

大会はZOOMで行われ、
学会員でなくとも無料で参加可能との
ことなので、ご興味を持たれた方が
いらっしゃったら、是非上記サイト
よりお申し込み
いただきたい。

発表のタイトルは、

「マーケティングと交渉学 ~その本質をめぐって~」

という大上段に構えたものと
なっている。

学会発表とはいえ、
私自身は研究者ではなく、
あくまで一実務家に過ぎない。

そんな実務家であっても、積極的に
日頃の成果を発表する機会を持つ
ことで、実務に良い影響が生まれる

だろうし、また発表を聞いてくださる
先生方や他の実務家の方々に対しても
良い影響を生む
はず。

田村先生がこうした視点を常日頃から
説かれており、確かにごもっともだと
共感するところなので、やや気後れ
しながらもお引き受けすることに
したのである。

そんなわけで、久々に
『ハーバード流交渉術』
という今や古典の域に入りそうな
著作を書棚から引っ張り出し、
復習がてら読むなどしている。

その中に出て来るのが
「原則立脚型交渉」という
キーワード。
ここで頼るべき「原則」は、
「交渉の基本」とでも言うべき内容。
それゆえ、発表の準備にあたって、
改めて頭の中に入れておきたいと
思ったのである。

原則は4つほどある。

1.人々と問題を分離する:感情や先入観が合意への道を阻むことを防ぐために、人々と問題を切り離して考えることが重要。
2.当事者の利害に焦点を合わせる
:共通の利益を見つけやすくするために、各当事者の背後にある興味やニーズに焦点を当てる。
3.多くの選択肢を生み出し、その中から最良を選ぶ
:ゼロサムゲームではなく、双方が得をする選択肢を生み出すことを目指す。
4.客観的な基準を用いる
:感情や主観的な解釈に基づく合意ではなく、公平で客観的な基準に基づいて合意を形成することを強調する。

このような原則に立脚して交渉を
行うことで、実りある交渉成果を
得やすくなる
というわけだ。

これらの原則を、交渉する度にいちいち
本を引っ張り出して確認できるような
時間は基本的にない。
頭の中にしっかり叩き込んでおいて、
使い慣れた道具のように
あるいはまるで呼吸をするかのように
自然に使いこなしたいものである。



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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。