ドラッグストアで生鮮をウリにする
つい最近も、コスモス薬品をネタに
記事を書いたばかりではあるが、
半月ほど前の日経MJに出ていた
ドラッグストアの話を取り上げる。
関東ではあまり知られていないが、
関西圏、特に大阪周辺では恐らく
知らない人はいないであろう
ドラッグストアの雄の一つが、
記事で取り上げられている
キリン堂である。
前職で、何度か商談にてお邪魔
したり、来社頂いたりといった
関係性を築いていたが、これは
ひとえにキリン堂の存在感の
大きさゆえ。
関東では、マツキヨやウェルシア、
ツルハ、サンドラッグ、クリエイト
といったところが目立つが、
関西に行くと、キリン堂やスギ薬局、
コクミンといったところの店舗が
より存在感を放っている。
とはいえ、ドラッグストアは競争、
合従連衡が激しい。
キリン堂もその競争の中でジリジリと
あおりを食っているイメージだ。
そのキリン堂が、食品を充実させる
のだという。
「ドラッグ」ストアという位だから、
本来は薬を売る場所。
それが、日用雑貨や生鮮以外の保存
可能な食品などに進出し、どんどん
売上を伸ばしてきた。
ついには、生鮮食料品にも進出する
となれば、いわゆるスーパーと何ら
変わりないこととなる。
コスモスについての記事でも触れた
のだが、薬という他では扱えない
ドル箱商材を抱えているために、
ドラッグストアはスーパーなどの
小売の他業態に比べて、
戦略の選択肢の幅が広い。
薬の販売から得られる利益をうまく
活用することで、他の商材に関して
ある程度値段を抑えた展開が可能。
集客用の目玉商品を設定する際にも、
スーパーに比べかなり体力的に
有利なのだ。
それにしても、生鮮である。
取り扱い時の注意点が、薬や日用
雑貨などとは大分異なっているし、
そもそも展開する際の什器や、
仕入・販売サイクルの短さなど、
相当に違いがある。
記事冒頭にある通り、キリン堂は
2021年にMBO(経営陣が参加する
買収)で非上場化を行った。
食品の品ぞろえを強化することで
客層の拡大や収益力の向上を狙い、
再上場を視野に入れている様子。
思うに、キリン堂はこれまで
競合に対する差別化が中途半端な
状態が長く続いていた。
あえてキリン堂を選びたい、
そう思わせる「何か」がない、
あるいは少ない印象だ。
そこから脱却する上で、方法論は
様々あるだろうが、食品を充実
させ、なおかつ成城石井のような
高級スーパーの食材をも取り込む
という打ち手を選択したので
あろう。
この打ち手が吉と出るか、
それとも凶と出るか、
気になるところである。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。