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ブランドを立ち上げるのに、情熱だけで足りるか

六本木ヒルズにあるグランドハイアット。
その正面に、岩山のようなオブジェが
そびえている。
たまたま最近、訪れる機会があり、
絵になるなと思ってパシャリ。

岩ということで、すぐに連想したのが
「IWA」という名前の日本酒。
株式会社白岩という、富山の新しい蔵があり、
そこで醸されるプレミアム日本酒の名前が
「IWA5」なのだ。
以前にこちらの記事で紹介したことがある。

この白岩で「Head of Operations」
つまりは管理部門の責任者を務める
小杉周平氏
の講演を拝聴した。
仕事の都合でリアルタイムでは叶わず、
このGWを活用して録画での視聴。

主催は、私がいつもお世話になっている
「大人の小杉ゼミ」という会。

毎月ほぼ2回、何らかのイベントを定期的に
行なっており、会員に学び・交流の場を
提供してくれる。
個人的にマメに参加しているコミュニティの
うちの一つだ。

小杉周平氏は、その小杉ゼミの主催者本人で
ある小杉俊哉先生のご子息

三井物産からキャリアチェンジを果たし、
白岩へと飛び込んだ方である。

先に紹介した「IWA5」という日本酒を
醸造する責任者であり、社長と共に酒造を
立ち上げた方が、リシャール・ジョフロワ氏
何と、あのシャンパンのドン・ペリニヨンで
最高醸造責任者を28年間も務めた
という
恐るべき経歴の持ち主。
そんな氏が、日本に、日本酒に魅せられ、
新たなチャレンジを富山で始めたのだ。

講演の中で、ジョフロワ氏の人となりに
関する質疑があった。
そこでの答えが、とにかく向上心の強い人
常により良いものを造るために情熱を持ち続けて
いる人
、というもの。

金勘定とか、マーケティングをどうするとか、
あるいは物流をどうするというような事柄は
あまり得意ではなさそうだが、
とにかく醸造している酒をいかに良くするか
については何時間あっても語り足りない

そんな情熱をお持ちの人であると理解した。

私がかつて在籍した、ロクシタンという
化粧品ブランドは、オリビエ・ボーサン
いう方が創設者である。
彼は、最初にローズマリーのエッセンシャル
オイルをマルシェ(小さな市)で売り始め、
それが評判を呼んで、やがて大きなブランド
へと発展していくことになる。

オリビエは、アーティスト気質。
商売人というよりは職人で、
地道に、愚直に、良いものを造ろうとする
情熱にあふれた人
である。
ロクシタンが大きな発展を遂げたのは、
そんなオリビエを経営面でサポートする
タレントが結集したからだと聞いている。

結局、情熱がいくらあっても、
良いもの、最高のものを造れたとしても、
売れる仕組みを整えなければ、
それを欲しがる消費者には届かない、
届きにくい。

クチコミでそこそこは広がるかもしれない。
しかし、良いものは世の中にいくらでも
ある、簡単に手に入るこの現代社会。
やはりマーケティングであったり、
サプライチェーン、営業といった
仕組みを整えなければ、商売を大きく
することは難しい。

京セラの稲盛さんが説いた有名な言葉、
「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」
にも通じる。
熱意だけあっても、他の2つが伴わなければ
結果が付いてこないのだ。

ジョフロワ氏にまつわるエピソードから、
いかにバランスが大切か、改めて思いを
致した。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。