中国のコロナ対策急転換
あれだけ習近平がこだわっていた
中国の「ゼロコロナ」政策。
急激に正常化へと転換を図っている
とのニュースが流れている。
日経のこの記事にもある通り、
中国国内で「ゼロコロナ」に対する
抗議デモが11月下旬に広がり、
それを受ける形で「ゼロコロナ」政策の
大半を撤回したとのこと。
ただ、問題は、足元でコロナ感染者が
急拡大している点だ。
記事には、四川省で16万人に調査し、
64%が陽性だったとの恐るべき数値が
載っている。
また、「都市データバンク」という
サイトの推計値では、北京市では人口の
約56%、上海市では約38%が感染したと
見込まれるとのこと。
実は、私も某企業の中国支社における
状況を耳にしており、勤務している
従業員の間に、極めて異常な勢いで
感染が広がっているとのことである。
このままいくと、業務上様々な支障が
出て、商品の生産から貨物の配送に至る
まで、ありとあらゆる業務がスタック
するであろう。
1年ほど前だったか、上海がロックダウン
した際も、上海絡みの荷物が停滞に次ぐ
停滞でひどい目に遭ったことが記憶に
新しい。
全く同じ状況が、今回は中国全土にかけて
広がりつつあると言えそうだ。
年末年始、そしていわゆる旧正月と、
人の移動が大量に見込まれるタイミングで
この「ゼロコロナ」対策緩和というのは、
あえてコロナを拡散させようとしている
のではないか、そんな疑念すら覚える
ほどの大きな政策転換だ。
ただ、習近平国家主席、あるいは中国共産党
と言った方がいいかもしれないが、
彼らは相当したたかである。
今回の政策転換にも、必ず何らかの裏が
あるに違いない。
とはいえ、一体どんな「裏」なのか、
正直なところ私にはまだ見えて来て
いない。
2022年は、
・ウクライナ戦争
・急激な円安
・インフレの亢進
といった具合に、世の中が極めて
不安定さを増している様子を
突きつけられてきた。
年末も差し迫ったこのタイミングで、
中国がまたドーンと大きな弾頭を
爆発させたような心持ちである。
2023年の政治経済を大きくかく乱する
要因となりかねない、今般の急激な
政策転換。
行く末、着地点はいずこにあるのか、
もう少し様子を見守るしかないので
あろうが、早いところ見通しの立つ
状況になって欲しいものだ。