「空飛ぶクルマ」への期待
「CES」と言えば、世界最大規模の
テクノロジー関連の見本市。
毎年1月頃にラスベガスで開かれ、
日本からも多くの来場があると
聞いている。
残念ながら、私自身は関連業界に
いないこともあり、これまでに行く
チャンスはなかった。
今年、「CES 2022」で、日本発の
「空飛ぶクルマ」が展示された。
メディアで取り上げられたのを見て
ご存知の方も多いかもしれない。
SkyDrive(スカイドライブ)という
社名は、パッと見て、聞いて、
何を目指している会社かが瞬時に分かる、
とても良いネーミング。
大空を駆け回る、そういうイメージが
湧いてくる。
社長の福澤知浩氏は、東大工学部卒業後
トヨタ自動車に入社。
社内の仲間と有志団体を立ち上げて
面白いアイデアを出し合い、ボランティア
的に「空飛ぶクルマ」を開発し始めた。
試作機が上手く飛び始めた段階で、
本格的に取り組んでいこうと決意し、
31歳のときに独立して社長就任した
新進気鋭の若手経営者である。
『月刊致知』の2022年1月号(12月発刊)に
福澤社長のインタビュー記事が掲載されて
いた。
東大卒でトヨタ出身、当然ながら極めて
優秀であることに疑いはないのだが、
やはり起業となると色々大変だろう。
ましてや、「空飛ぶクルマ」という、
前代未聞の大事業である。
そんな大きなチャレンジに対する、
福澤さんの向き合い方が、読んでいて
清々しい。
子どもの頃、『プロジェクトX』に感銘を
受けて、ああいう大きなプロジェクトを
動かすリーダーになりたい!
そんな想いを抱いたのが原点にある。
子どもの頃からの「ワクワク」を実際に
仕事にしたことが、様々な苦労を乗り越える
原動力となっているように感じられた。
転機になったのが、トヨタから
有望事業と評価されて協賛をもらった
ことだったとある。
自分が飛び出した会社から、多額の出資を
引き出せたこと自体、非常に大きな意味が
あると思われる。
一つには、あの世界のトヨタが「有望」と
認めたということで、テクノロジーや
発想/コンセプト自体の秀逸さが世間に
広く認知される契機となったことである。
実際、その協賛のお陰で、メディアに紹介
されて話題を呼び、更なる協賛企業の獲得
へとつながったようだ。
もう一つ、トヨタが出資してくれたという
裏には、間違いなく福澤さんが
トヨタ在職中に良好な人間関係を築いて
いた事実があるに違いないことだ。
飛び出した後も、古巣から応援してもらえる
ということは、在職中に関わった人たちが
「是非応援したい」と思ってくれない限り
難しいはず。
それだけ、日頃から真摯に仕事に取り組んで
きたことが推測されるのである。
2025年の大阪・関西万博で、
エアタクシー事業を立ち上げる予定とのこと、
今から目が離せない。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。