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江戸時代のイノベーターたちから学ぶ

明治維新の後に、日本が凄い勢いで
西欧列強に肩を並べるまでに成長した
ことは、「奇跡」だと評価される。

確かに、西欧の側、彼らの価値基準
からすれば、奇跡的なスピードでの
キャッチアップ
だったことだろう。

この「奇跡」を成し遂げた裏には、
日本人が江戸時代の期間中ずっと
高いレベルで識字率を保つなど、
豊かな基礎能力の蓄積を怠らずに
開国を迎えたという事情がある。

そして、日本人の、成功するまで
ものごとを追求する「気質」
もまた、
スピード感あふれる明治の「奇跡」を
お膳立てしたに違いない。

そんな「奇跡」の前夜において、
日本各地で活躍した「イノベーター」
たちを55人も取り上げ、簡単な解説を
加える本が出版された。

この本は、2017年11月に出た初版の
「増補・決定版」として、
2023年の5月31日に改めて出版された
ものである。

この本を知ったのは、友人である
竹下大学さんが著者の一人として
名を連ねているからだ。
竹下さんのことは、こちらのnoteで
触れさせてもらっている。

著者である「NPOテクノ未来塾」
塾生さんたち19名が、取り上げた
55名について分担執筆している。

竹下さんは、ご自身の職業との関連
度合いの高い4名のイノベーターを
担当されているのだが、そのうちの
一人が田村藍水(らんすい)だ。

一般的にはあまり知名度が高くない
藍水は、この本では
「朝鮮人参の国産化を実現した立役者」
として紹介されている。

「本草(ほんぞう)学者」という彼の
職業は、今でいうと、医師と薬剤師と
植物研究者を取り混ぜたようなもの

江戸において、その本草学者として
名を上げた藍水は、その後に日本初の
東都薬品会という展示会のはしり
主催したことでも知られる。

実は、この東都薬品会の内実を
仕切っていたのは、誰あろう、
私が過去に何度も取り上げている
平賀源内その人である。

田村藍水に加えて、平賀源内も、
当然ながらイノベーターの一人として、
「江戸のレオナルド・ダ・ヴィンチ」
という言葉と共に、本の中で取り上げ
られている。

源内に関しては、上記に挙げた
私の過去のnoteを見ていただければ、
ほぼ理解できると思う。

残りの54名のイノベーターたちに
関しては、是非この本をひもといて
いただきたいところ。
なにしろ、興味深い人々ばかりの
オンパレードなのだ。

和算で有名な関孝和
第二の人生で、精緻な日本地図を作る
基礎となる測量をした伊能忠敬
蘭学の祖であり、サツマイモ博士の
青木昆陽
『解体新書』で有名な杉田玄白
世界初の全身麻酔外科手術をやって
のけた華岡青洲
適塾を開き、福沢諭吉をはじめ
多くの偉人を輩出した緒方洪庵
などなど。

海外から来る最先端理論の類を
追い求めるのも悪くないが、
我ら日本人の先達に改めて学ぶ
こともまた、私たちにとって
大いなる刺激とヒントに満ちて
いる
ことは間違いない。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。