「徳島の葉っぱビジネス 再浮揚」
もう15年以上も前の本だが、
横石知二さんという方の書かれた
『そうだ、葉っぱを売ろう』
というタイトルの本がある。
横石さんは、アイデアマン。
その辺に落ちているただの葉っぱから、
億単位を稼ぎ出す仕組みを作った
伝説的なビジネスパーソンだ。
実は、私がUdemyで展開している
マーケティングのセミナー内でも、
この本を取り上げさせてもらって
いる。
いわゆる「マーケティングの4P」の
うちの「Product」、言い換えると
「商品」の本質は、お客様に提供
する「価値」である。
「モノ」の価値というのは、TPOに
よってガラッと変わることの例と
して、この葉っぱの事例を挙げて
いるのだ。
過疎の村に落ちている葉っぱ。
そこにあるだけなら、当然無価値。
誰も見向きもしない。
そのうち腐って土に還るのみ。
しかし、横石さんには、それが
「宝石」に見えた。
誰も踏み荒らさないから、きれいな
形を保っている。
そしてそれが、大消費地である
都会に行けば、高級料亭の料理に
花を添える存在となる。
葉っぱを拾って来て、選別して、
発送するだけであれば、
過疎地域のおばあちゃんでも
苦も無く対応できる。
そんなおばあちゃんたちを
その気にさせて、実際に料亭に
送り込んで販売を実現する仕組み
作りに奔走し、それを成し遂げて
しまった横石さん。
マーケターの鑑だと言って良い
だろう。
この有名な「葉っぱビジネス」が、
コロナ禍のあおりを受けて苦戦して
いたところ、今現在は立ち直りつつ
あるとの記事が日経MJに出ていた。
その記事のタイトルが、
「徳島の葉っぱビジネス 再浮揚」
というわけ。
記事を読むと、このビジネスを推進
するべく「株式会社いろどり」を
起業した横石さんの、相変わらずの
敏腕マーケターぶりがうかがえる。
市場の変化を敏感につかみ、
その情報を農家にフィードバック。
旬な、売れやすい「葉っぱ」が
何であるかを共有することで、
ビジネスチャンスを逃さない。
直近では、需要激減の居酒屋から
焼肉店へと狙いをシフトし、
肉を盛るホオバの需要を開拓。
受発注の仕組みづくりも本格的で、
LINEでサプライチェーンをつなぐ
全国に類を見ないシステムを構築。
注文をその日のうちにさばいて、
空輸手配を行うことが可能。
鮮度の高い商品提供を実現している
ことで、葉っぱの買取単価も高値
安定を実現しているとのこと。
過疎地域であろうと、
働き手が老人ばかりであろうと、
コロナ禍で需要が激減しようと、
ビジネスを継続させていく知恵を
出そうと粘り強く取り組めば、
神様は決して放っておかない。
ネガティブと思えるポイントを、
むしろポジティブに変換する。
小さな、地道な努力を継続して、
大きなことを成し遂げる。
そんな勇気をもらえる奮闘を、
心に刻んでおきたい。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。