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2024年 世界の消費者トレンド その4 「広がる分断」
ユーロモニター社が発表した、
「2024年 世界の消費者トレンド」
6つを順に取り上げて、少しばかり
その内容について議論している。
前回がこちら。
今回は、その4回目。
いつも通り、まず同社の日本語記事の引用
から始めよう。
広がる分断 (Progressively Polarised)
社会的・政治的な問題は、世界中で議論を起こし続けている。1/3以上の消費者が、少なくとも向こう数年間は、自国が政治的に落ち着くことはないだろうと回答した。2024年、米国を初めとする世界の主要国のいくつかで大型選挙が予定されており、世界の緊張がさらに高まるだろう。
今日、消費者は明らかに「広がる分断」化しているが、それは彼らの行動に必ずしも反映されるわけではない。社会的・政治的な主張を掲げるブランドに対する消費者の反応は、予測が難しい。
自分と同様の信念を持つブランドを支持し続ける消費者がいる一方で、特定の商品を購入するにあたり、社会的・政治的な主張との関連を気にしない消費者もいる。はたまた、そのような主張を行うブランドは全て避ける、という消費者もいる。
いずれにせよ、センシティブなトピックに触れるマーケティングキャンペーンに対して、消費者は素早く反応する。そして、搾取構造が見えるときは特にそうだ。企業が感情的なトピックに接する際は、自社の信念を貫きながらも、十分に注意を払う必要があるだろう。
世の中の不安定さが増している。
戦争はその大きな一因であるが、
それだけではない。
例えば、「LGBTQ+」。
レズビアン(女性同性愛者)
ゲイ(男性同性愛者)
バイセクシュアル(両性愛者)
トランスジェンダー*
クエスチョニング*
そして「+」アルファの頭文字だ。
*説明が長くなってしまうので、
こちらのサイトを参照願いたい。
歌舞伎町タワーの共用トイレ問題が
ネット上で激しく炎上したのは
記憶に新しいところ。
「LGBTQ+」のようなセンシティブな
問題が絡む場合、消費者の反応が極端に
振れるリスクを常に孕むこととなる。
会社のオーナーや株主の政治的な主張を
貫くために、あえてそのようなリスクを
取る企業もあるかもしれないが、
リスクの存在を十分に認識した上で
取り組むべきだと警鐘を鳴らしている
恰好だ。
Woolworthsという南アフリカ発の
アパレルブランドでは、
「LGBTQ+」コミュニティをサポートする
「プライドキャンペーン」を実施した。
2023年6月の「国際ゲイプライド月間」を
サポートする目的で、「LGBTQ+」の象徴
でもあるレインボーカラーをあしらった
「プライドコレクション」という商品を
展開したのである。
このキャンペーンが、大きな批判に晒され、
店舗のボイコット呼びかけなどへと発展。
しかし、「誰一人取り残さない」という
信念に基づいて、商品を取り下げるどころか、
むしろ対象商品を倍増させる動きを見せた
とのこと。
日本は、同質性の高い日本人同士が
コミュニティを形成しているために、
他国に比べれば政治的な分断が起こり
にくい構造にあると思われる。
しかし、こんなに円安が進んでいるにも
かかわらず、外国人労働者が徐々に増え
続け、移住者のコミュニティ形成が確実に
進んでいるような話も聞く。
そうしたコミュニティ同士で、あるいは
従来から存在する日本人コミュニティとの
間での摩擦は、社会的な不安定さを高め、
消費行動にも様々に影を落とすだろう。
そんな「社会的な分断」の広がりが、
トレンドとして表面化することを十分に
理解し、どのように備えるべきかを
考えておくようにしたいものである。
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